リユースショップにひっそりと置かれていたわずか500円のジャンク品を修理していく動画が、YouTubeに投稿されました。動画の再生数は記事執筆時点で1万4000回を超えています。
●ディスクが再生できない?
動画を投稿したのは、ハードの動作検証や修理動画を発信しているYouTubeチャンネル「たまこTv」。リユースショップ「セカンドストリート」で、KENWOODのミニコンポ「RMD-L7CDR」を入手しました。
同製品は、本体上部にCDプレーヤーユニット、下部にCDレコーダーユニット、本体左側にMDレコーダーユニットを搭載。本来は音楽を再生したり、録音したりできるはずですが、今回入手した物は「CD/MD再生不可」のジャンク品として売られていました。
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●各部をじっくりチェック
状態を確認すべく電源を入れると、CDプレーヤーユニットから異音が発生。ディスクを読み込む部分は生きているようで、「CD/MD再生不可」と判定されたのは何らかの理由でディスクを入れること自体ができなかったからではと推測しました。うまくいけば使えるかも……?
上部のCDプレーヤーユニットは、透明なフタ部分が二枚貝のように開く仕組み。ボタンを押すことでフタはあっさり開きましたが、どうやら回転機構の方に問題があるらしくセットしたCD-Rは全く回りません。
次は本体下部にあるCDレコーダーユニットをチェック。開閉ボタンを押すと異音がしてトレーは出てきません。こちらは内部のゴムベルトに問題がありそうです。
一方、MDレコーダーユニットには何の問題もなく、普通に音楽を再生できました。本体前面にある操作パネルも機能しており、市販のリモコンを使った遠隔操作も可能です。
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●まずは上から
各ユニットの状態が分かったので、分解してさらに詳しく原因を調査。まずは、各部のカバーを外してCDプレーヤーユニットを取り外しました。フタなども外してCD読み取り部分をむき出しにすると、ピックアップレンズを磨き、ネジを回して読み取り用のレーザーに調整を加えます。
仮組みして動作テストをした結果、CD読み取り部分を下から支えるゴム製の土台が劣化して異常に平たくなっていると判明。ゴム土台のある部分が若干くぼんでしまい、ディスクの回転を邪魔していたのです。
そこでゴム土台の真下にテープを貼って底上げ。読みは見事に当たり、プレーヤーユニットの中でCDはスムーズに回転しました!
●続いて下段の修理
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次は下段にあるCDレコーダーユニットの修理をします。前面の操作パネルが複雑な形状のため、部品を壊さないよう注意しながら各部にある大量のネジを全て外していきます。これは根気のいる作業だ……。
どうにかレコーダーユニットを本体から取り出したものの、今度はカバーを外すためのネジ穴が見つかりません。1時間ほど格闘した末、ようやく目立たない位置に取り付けられたネジを外すことに成功。トレーを手動で引き出すと、内部のゴムベルトが“クタクタ”になっていると分かりました。
駆動部をきれいにして、ゴムベルトを新品の物に交換。このレコーダーユニット自体はあまり使われておらず、ゴムベルト以外の部品は寿命がまだ来ていないと推測した投稿者さんは“これで再生できなければ諦める”と、これ以上は手を加えず部品を戻すことにしました。
諦めると判断した理由の1つは、装置内の部品が極めて大量かつ複雑に取り付けられていること。そう何度も気軽に分解できるものではありません。もちろん組み立て作業も同じくらい大変で、「もう何やってんのかわからなくなりますね」と苦笑いしながら配線していきます。
●苦労の末……
ケーブルを挿し忘れたり、挿す場所を間違えたりしながらも多数の部品を戻したら、レコーダーユニットにCD-Rをセット。するとトレーが閉まり、ディスクを読み始めました。
修理の結果、わずか500円のジャンク品はCD-Rもばっちり再生できるように! 苦労が報われた投稿者さんは「末永く遊んでいきたい」と語っています。
コメント欄には、「見事に復活してよかった」「修理の腕前すばらしいですね」「パズルのような分解組み立て、見ていて楽しかったです」「さすがです!」などの感想が寄せられています。
投稿者さんはYouTubeチャンネル「たまこTv」の他、ブログとInstagram、X(Twitter/@tamako_tv)も運営中。ジャンク品となったテレビやオーディオ機器の検証結果を伝えています。
動画提供:YouTubeチャンネル「たまこTv」さん
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