オークスに出走予定のアルマヴェローチェ(ユーザー提供:MR.Gさん) 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。
今週の重賞競走は土曜日に平安S(GIII)、日曜日にオークス(GI)が行われます。その中から東京競馬場で行われるオークスを取り上げます。まずは過去の傾向から。
過去10年のオークスでは前走で桜花賞(GI)に出走していた馬が7勝2着5回3着7回と良績を残しています。特にその桜花賞で3着以内だった馬が6勝2着2回3着4回となっていますので、王道とも言えるレースで好走している馬は素直に評価する必要があると言えそうです。
前走が桜花賞以外だった馬は3勝2着5回3着3回と11頭が3着以内に好走。ただし、前走の着順や上がり順位には注意が必要です。この11頭の内、9頭が前走1着からの参戦。残る2頭は前走で勝ち切れていないものの、上がり最速を記録し末脚に見どころのあった馬となっていました。前走が桜花賞ではなかった馬については、勝って勢いに乗っていることや末脚の威力を証明しているような馬にのみチャンスがあると言えるかもしれません。
続いては、過去10年のオークスにおける人気別成績を見ていきます。過去10年のオークスでは前走4番人気以内の馬が9勝2着9回3着7回と圧倒しています。前走で上位人気に支持されるのは実績や近況に優れた点のある実力馬と言えますし、そのような馬が順当に力を出し切っていると言えるかもしれません。
一方、前走5番人気以下の馬は1勝2着1回3着3回と苦戦しています。馬券に絡んだ5頭の内、4頭が前走で3着以内に好走。前走が人気薄でもそれに反発し結果を残している馬には注意が必要になりそうです。残る1頭は23年のドゥーラ。本馬は前走の桜花賞14着と大敗していますが、2歳時に札幌2歳S(GIII)を勝っており中距離以上に高い適性を示す実績がありました。前走が人気薄で結果を残せていないような馬でも、中距離以上に高い適性を感じさせる実績がある場合は軽視しない方が賢明かもしれません。
それでは早速ですが、今週のオークスでAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。
◆桜花賞上位馬を素直に評価
アルマヴェローチェ
昨年の阪神JF(GI)の勝ち馬で同世代の牝馬の中ではトップレベルの能力馬。前走の桜花賞は阪神JF以来の出走で2着。直線では一旦先頭に立つ場面もありましたが、勝ち馬に交わされてクビ差の惜敗。ただ、上がりは最速でしたし、休み明けだったことを思えば上々の内容と言えます。
今回は2400mへの距離延長になりますが、昨夏の札幌2歳Sで2着に入っているように中距離以上への適性は十分に感じます。また、札幌2歳Sはメンバーレベルが高く、勝ち馬はNHKマイルC(GI)で2着だったマジックサンズ。3着馬は青葉賞(GII)の2着ファイアンクランツなど牡馬の一線級が相手だったことも評価できる点です。休み明けの前走を叩かれたことで状態面の上積みも見込めそうですし、ここも上位争いの有力候補と言えるのではないでしょうか。
エンブロイダリー
本馬はこれまで6戦4勝2着1回。敗戦を喫したのは新馬戦での2着と4走前のサフラン賞(1勝クラス)での5着。どちらもスローな流れで差し切れずという内容でしたが、終いの切れ味には見どころがありましたし、負けて強しと言える走りを見せていました。
2走前のクイーンC(GIII)はテンから先行した馬が軒並み崩れる流れの中、2番手追走から押し切り重賞初制覇を達成。前走の桜花賞では2歳女王アルマヴェローチェとの激しい叩き合いを制し、見事に牝馬一冠目を奪取。ここ2走は素晴らしいパフォーマンスを見せていますし、本馬にも牝馬トップクラスの能力があるのは言うまでもありません。折り合いよく走れていますし、2400mにも対応可能なはず。自身の力を出し切れれば二冠制覇のチャンスは十分にありそうです。
リンクスティップ
前走の桜花賞ではスタート直後に他馬に接触。初めてのマイル戦だったこともあり、道中は追走に戸惑ったのか離れた最後方と厳しい位置取りに。勝負所から大外を回して前へと進出。直線でも脚は使っていましたが、最後は上位2頭に離された3着。道中のロスや初めての距離だったことを思えば上々と言える内容。
桜花賞以前はすべて1800m以上に出走。陣営としてはマイルよりも中距離以上に適性を感じているようなローテーション。実際、2走前のきさらぎ賞(GIII)では牡馬相手に2着と好走。勝ち馬は皐月賞(GI)で5着に入ったサトノシャイニング。3着馬ランスオブカオス、4着馬ショウヘイは次走で重賞勝ちとハイレベルなメンバーが相手。そこで連対しているのですから、相当な能力を秘めているのは間違いありません。桜花賞から距離が延びるのはプラス材料になりそうですし、前走で先着された2頭を逆転する可能性も十分にあるのではないでしょうか。