プロ野球日本シリーズの取材証をフジテレビから没収したことなどは独禁法違反(不公正な取引方法)に当たる恐れがあるとして、公正取引委員会が日本野球機構(NPB)に警告を出す方針を固めたことが19日、関係者への取材で分かった。
NPBは同日、公取委から警告案について通知を受けたと明らかにした上で、「前提となる事実認定や評価に重要な誤りがあり、受け入れがたい」と指摘。警告が決定した時点で正式な見解を表明するとのコメントを出した。
公取委はNPB側の意見を聴取した上で最終的に判断する。
フジテレビは昨年10〜11月の日本シリーズで、他局が試合を中継した時間帯に、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手らが出場したワールドシリーズのダイジェスト番組を放送。NPBは「信頼関係が著しく毀損(きそん)された」として、フジテレビから日本シリーズの取材証を没収するなどした。
関係者によると、NPBは日本シリーズ第3戦の放送権の許諾を巡り、フジテレビから他局への変更に向けた調整もしていたという。
公取委はこうしたNPBの行為は、テレビ局にNPBの競争相手である大リーグ機構(MLB)との取引をためらわさせ、独禁法が禁じる「取引妨害」に該当する恐れがあると判断したとみられる。