なでしこ率いるニールセン監督「現時点のベストメンバーを選んだ」…初招集の山本柚月にも言及

0

2025年05月20日 19:01  サッカーキング

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

サッカーキング

なでしこジャパンを率いるニルス・ニールセン監督 [写真]=Getty Images
 JFA(日本サッカー協会)は20日、今月下旬に控えたブラジル遠征に臨むなでしこジャパン(日本女子代表)のメンバー23名を発表。なでしこジャパンを率いるニルス・ニールセン監督が、メンバーの選考基準に触れるとともに、新戦力へ期待も口にした。

 昨年12月、なでしこジャパン史上初の外国人指揮官として迎え入れられたニールセン監督は、初陣となった2025 SheBelieves Cupで初優勝を成し遂げるなど、ここまで4試合で3勝1分と無敗を維持。そんななか、5月から6月にかけて行われるブラジル遠征では、2027年に控えたFIFA女子ワールドカップの開催国であるブラジル女子代表との2連戦が予定されている。

 20日には同試合に向けたメンバーを発表。初招集となったのは、2024−25 SOMPO WEリーグの最優秀選手賞に輝いた山本柚月(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)のみで、残る面々はいわば“お馴染み”の顔ぶれとなった。

 この理由について、ニールセン監督は「今回のブラジルは手強い相手で、準備ができている選手を中心に選んだ」とメンバーの選考基準に言及。前記の通り、ブラジルは次回のFIFA女子ワールドカップの開催国でもあり、「開催地での試合を経験できるという意味では、現時点でよりワールドカップに出場する可能性の高い選手、つまり現時点でベストといえるメンバーを選んでいます」と宣言した。

 一方で、およそ2年後に迫った次回のFIFAワールドカップに向けて、新戦力も発掘していく必要がある。7月にはE-1サッカー選手権2025決勝大会が韓国で予定されており、同大会ではフレッシュな顔ぶれが見られるかもしれない。ニールセン監督も「新しい選手は常に探し、見ている」と認めているが、選手たちの持つ本来のパフォーマンスを発揮してもらうため、タイミングを慎重に見極めていること、同時にクラブでの継続的な出場機会が代表選出に繋がるという考えも明かした。

「時々、代表に早く呼びすぎてしまう可能性もあるし、今の選手との競争もあるので、今回は選んでいない選手もいる。海外にも、WEリーグにも、才能に溢れた選手たちが多いので、私のような選ぶ側の人間には多くの選択肢がある」

「たとえば、今回は山本を選出したが、シーズン通じて安定した素晴らしいパフォーマンスをしており、今回は選ぶことにした。重要なのは、所属クラブで安定したプレーを続けること。そうすれば、自ずと今後の代表選出の可能性が出てくるので、それは選手に対しても伝えたい」

 また、初招集となった山本は、所属クラブの日テレ・東京ヴェルディベレーザが3バックシステムを採用していることもあって、主戦場は右ウイングバックだった。2024−25 SOMPO WEリーグで全22試合に出場して8ゴールを記録したことからもわかるように、攻撃面で違いを生み出せる選手で、シャドーやウイングとしても活躍してきたが、今回の登録ポジションは“DF”だ。

 ニールセン監督は山本について、「個人的にもMVPを受賞し、素晴らしいシーズンを過ごした。チームに貢献できる選手だと思っている。初選出なので、チームをリードするというよりも学ぶ機会にはなると思うが、彼女ができること、強みを出してほしい。スピードやフィジカルの強みがあると思うので、そこを表現してもらいたい」と期待の言葉を残している。登録ポジションは“DF”となった理由については、次のような言葉を用いて説明した。

「まず練習で試してから決めたいが、日本で足りないポジションはSB(サイドバック)なので、最初はSBでの起用を考えている。もちろん、彼女の強みが攻撃にあることはわかっているので、色々と試したい。ただ、現時点では、SBが一番プレータイムを得やすいのではと考えている」

 同様に、背後への抜け出しやスピードを武器に、ストライカーやウイングなど攻撃的なポジションで活躍する千葉玲海菜(フランクフルト/ドイツ)も、DF登録での選出となったが、ニールセン監督は「基本的には山本と同じ理由」と説明。「千葉はSheBelieves Cupでも活躍してくれて、代表でも信頼できる選手として、今回は選出している。もちろん攻撃的な選手とは分かっているが、新しいチャレンジとしてSBで考えている」と続けると、攻撃的な選手のSB起用を想定している理由にも触れている。

「現時点で、千葉のSB起用はあくまでも可能性の段階。練習をした上で、攻撃的なポジションでプレーする可能性もある。SBとウイングの共通点として、両方とも攻撃的にいく。特になでしこジャパンに関しては、SBにも攻撃時の貢献が求められるので、ウイングを本職とする選手がSBをやる上での共通点は多い。馴染みやすいとも思っている。清家(貴子)もSBの可能性があると思うが、リスト登録上、ポジションを決める必要があるのでこうしている」

 今回の遠征では、ブラジル女子代表との2連戦に臨む。日本時間で1試合目は5月31日(土)あさ9時30分、2試合目は6月3日(火)あさ8時キックオフ予定だ。いずれの試合もABEMAにて独占無料生中継が決まっている。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定