『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』©2007 福田ますみ/新潮社 ©2025「でっちあげ」製作委員会綾野剛が、体罰で告発される小学校教諭を演じる映画『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』より、最新予告映像と場面写真が到着した。
本作は、物語より奇妙で恐ろしい事件のルポルタージュの映画化。現代社会に実在する闇が、耐え難い緊張感と底知れぬ絶望感で体現された問題作。
映像では、教え子の拓翔(三浦綺羅)に体罰をしたとして告発された教師・薮下誠一(綾野)が追い詰められていく姿が、より切実に、より濃密に描き出されている。
拓翔のランドセルを投げつける薮下、涙を溜めながら怪我をした拓翔に寄り添う律子(柴咲コウ)、薮下に謝罪を強制する校長・段田重春(光石研)と教頭・都築敏明(大倉孝二)、薮下の元へ取材に訪れる鳴海三千彦(亀梨和也)。
実名報道をきっかけに、メディアの過激さが増す中、薮下は自身の無実の主張を続け、律子は裁判に乗り出す。さらに、両者の弁護士・大和紀夫(北村一輝)と湯上谷年雄(小林薫)も加わり、どんどんストーリーが展開されていく。
薮下の「私は体罰をしていません」、律子の「傷ついている息子が、苦しみから解放されることを切に願っています」、鳴海の「私が記事を書かなければ、あの人たちを救うことはできない」――各々が信じる真実と揺るぎない想いが複雑に入り混じる。
また本作の主題歌は、キタニタツヤの書き下ろし楽曲「なくしもの」に決定。“何を失くしたのかさえもわからなくて けれど大事にしてたことは憶えていて”という歌詞が表現するように、追い詰められた状況の中にいてもなお、かすかな希望を手繰り寄せようとする想いを丁寧に描き、作品の世界に静かに寄り添っている。
楽曲についてキタニタツヤは「他者に奪われ壊され摩耗した人間が、全てを取り戻せないことを知っていてなお、再び他者を信じ手をとって立ち上がる。そういう強さは美しいなとこの作品を観て感じ、それを詞とメロディに込めました」と話している。
そして、「キタニさんがこの作品にとても誠実に向き合ってくれて、(この楽曲は)”最後の最大の共演者”だなと思いました。歌詞がいい意味で散らばっていて、必死に手繰り寄せている感じがしました。それは、薮下や律子さん、あの世界を生きている人たち全員共通することなのかもしれないと。とても深い部分で音楽を感じられて、本当に感謝しています」(綾野)、「人間のモヤモヤしている部分を彷彿とさせられました。映画と同化していて、締めくくりに相応しい楽曲だと思いました」(柴咲)とキャストからもコメントが到着した。
場面写真では、教室で拓翔ににじり寄る薮下の冷酷な表情や、夕日を背に涙ぐむ人間味のある薮下。虚ろな目でミステリアスな雰囲気が漂う律子、記者としての覚悟がうかがえる、薮下との初対面を控えた鳴海の姿も切り取られた。
『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』は6月27日(金)より全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)