訪米を前に首相官邸に入る赤沢亮正経済再生担当相(中央)=29日午前、東京・永田町 トランプ米政権の関税措置を巡る政府間協議に関し、赤沢亮正経済再生担当相は29日、米国からの防衛装備品調達も「視野に入り得る」との認識を示した。「交渉カード」として排除しない姿勢を示すことで、米側の軟化を引き出す狙いとみられる。4回目の閣僚級交渉のための訪米に先立ち、石破茂首相と首相官邸で面会した後、記者団の取材に応じた。
赤沢氏は「安全保障と関税・通商政策は理屈や物差しが違う。それを混ぜて交渉することは不適切だ」と指摘。その上で「防衛装備品の購入などが(貿易収支に)入ってくれば、事実上、米国側の貿易黒字が積み上がる。(交渉の)視野に入り得るかと思う」と述べた。
関税交渉と安保は「別物」として切り分けるのが日本政府の従来の基本姿勢だ。ただ、トランプ大統領は米国の対日貿易赤字削減を最重要視していると判断。早期妥結につなげるため、半歩踏み込むことにしたもようだ。