櫻井翔を追えば、世界が見える――。そう言いたくなるのは、それほどに彼が多方面へと活躍の幅を広げているからに他ならない。
これまでも嵐として歌い踊り、そしてバラエティーにとマルチに活動してきた。アイドルとしては先駆けてリリックを自ら書き上げ、音楽の世界の広さを教えてくれた。様々な番組の司会進行、そしてキャスターとして日々私たちに新たな世界を見せてくれた。さらには、俳優としてフィクションの世界までも盛り上げてきたのはご存知の通りだ。
■櫻井の言葉が誘う、まだ見ぬ世界
そんな幅広い活動と並行して注目されてきたのが、櫻井の紡ぐ言葉たち。後輩のtimeleszによる新メンバーオーディション番組『timelesz project』(通称:タイプロ)の最終審査で司会をつとめた櫻井。彼が語ったtimeleszと候補生に向けた「このSNS時代に実名を出して、自分の全てをさらけ出して、殻破って、新たな挑戦をして、ボコボコに言われながらチャレンジする姿を見て、なんか俺が思ってたことはくっだらねえなって思い始めちゃったんですよね」と率直な言葉で語られたメッセージも心を打つものがあった。
また、FAMILY CLUB webで毎月15日+αに更新してきた公式ブログ「オトノハ」も好評で、2023年に開催された『櫻井翔 未来への言葉展』、今年6月10日まで巡回した企画展『櫻井翔 未来への言葉展 PLAYFUL!』でも展示のひとつとなっていた。その企画展が一区切りするタイミングで書籍化が決定。現在、FAMILY CLUB webでは約10記事ほどしか遡れない仕様になっており、260以上ある記事を見返したいというファンの思いに応える形だ。
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ちなみに、次の更新で見られなくなるであろう現状最古の記事vol.252(2024年8月15日更新)のタイトルは「巴里より」だった。7月5日からおよそ7日間、パリオリンピックを取材してきた櫻井が、帰国直後に綴ったもの。現地でオーダーしたカプチーノをきっかけに、「ラテ」と「カプチーノ」の細かな違いについて過去に何度も検索しているにも関わらず、「…今回もしました」なんてクスッとさせられる文章にグッと引き込まれる。さらに、フランスのホテルスタッフから嵐であることをたずねられて、思わず口からカプチーノが噴射するほど焦ったことなど、その鮮やかな筆致に、まるで櫻井の姿が見えるかのようだ。
そんな「オトノハ」を引き継ぐような形で、櫻井は4月2日に公式Instagramをスタートさせた。このInstagramもまた新しい挑戦で、「櫻井、プライベートでガーナへ行ってきました」という書き出しで始まったように、櫻井がガーナを旅した様子が熱量高く綴られている。これが無料で読めていいのかと思うほどの充実ぶりだ。日本で暮らす私たちからすると、遠い世界に案じるガーナの風景が、櫻井を通して見ると一気に親しみを覚えるから面白い。
■「知りたい」を楽しむバイタリティを、この先も
一方で、5月22日には新特番『櫻井翔のワンナイトスタディ』でホテルスタッフとして夕方5時から朝7時まで深夜のロケに挑む姿も。多くの人が寝静まる時間に働くプロフェッショナルたちへのリスペクトが伝わってくるのと同時に、今まで知らなかった世界に触れられる知的好奇心に目を輝かせる櫻井の顔が印象的だった。
櫻井はもはや芸能人としては大スターと呼べる存在感となった。『news zero』のキャスター(日本テレビ系)として、台湾総統に海外テレビメディアとしては初の単独取材を実現させたことでも証明されたばかり。しかし、自分の足で訪れ、自分の目で見たことを伝えたいという気持ちの強さは、むしろ年々増しているのではないかと思わされる。
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SUPER EIGHTの村上信五と、まだ知らない日本各地の魅力を可能な限り伝えようと鬼のようなスケジュールでロケ先を巡る『櫻井信五の鬼スケ旅』(日本テレビ系)でも、率先して「走るか!」と動き出す。時間的にギリギリなときも決して諦めない。訪問した先でもバタバタはしても、雑な対応は一切しない。そんなテキパキとした櫻井に、村上から「素晴らしいね。ホンマ要点パパンッて押さえて!」と称賛の声が上がったこともあった。この先に何が待っているのか、そこで自分は何を思い、それを伝えたときに世界の何が変わるのか。その知的好奇心に突き動かされているのではと思うほど。
「魅力は計算できないところにある」とは、『安藤忠雄 青春トーク2025』(MBS毎日放送)で櫻井と対談した建築家・安藤忠雄の言葉。「人間もそうでしょ。櫻井さんという魅力。他の人にはできない魅力。そういうものが重なり合ってくると、また新しい世界が出来上がる。そこで一歩行くんかなと」とも。まさに、櫻井翔という他の人にはできない魅力が、多くの人々に気づきを与え、そして新たな世界へと繋がっていく。安藤と対談を終えた後、櫻井は「今、自分40歳ちょっとですけど、ここから40年、50年と、同じバイタリティで駆け抜けられるかなって思うのと同時に、そうありたいなと」と意気込んでいた。
現状の活躍に加えて、さらに7月には「占拠」シリーズ第3弾となるドラマ『放送局占拠』(日本テレビ系)で主演を務め、そして来春には嵐のラストツアーというまだ誰も見ていない世界が待っている。もちろん、その先も櫻井の挑戦は続いていくことだろう。彼が今後駆け抜けていく日々を通じて、私たちにどんな世界を見せてくれるのか。そこで、どんな言葉を届けてくれるのか、これからも楽しみで仕方ない。
(文=佐藤結衣)
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