<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
リポーターの東海林のり子さん(91)に初めてお目にかかった。公開中の映画「テルマがゆく!93歳のやさしいリベンジ」の特別試写会に、鮮やかなグリーンの衣装で登場した。何度もテレビで見た「現場の東海林です」を目の前で聞き、本物だ〜と心の中で拍手してしまった。
登壇する際、階段の上り下りを係員に手伝ってもらうと「イケメンが助けてくれたわね」とスマートに感謝。トーク中は着席していたが、フォトセッションとなると背筋をピンと伸ばして立った。たくさんのカメラを向けられ、手のひらを内側にした裏ピース。真っ赤なマニキュアが映えた。
撮影直前、東海林さんは「ちょっと待って、私、立つの?」と聞いた。座って写りたいという意味かと思えばそうではなく、報道陣を指して「そっちに行きたい。私、そっち側の人間だから」と言った。映画のトークショーは初めてだという。「こんな経験ないから」「私、女優じゃないから」と戸惑いながらポーズ。ムービー撮影に移ると、カメラマンに向かって「お疲れさま!」と元気に声をかけた。
かつては一緒に現場に出ていたカメラに、撮られる側になった。「ありがとう。なんか、夢見てるみたい。これで死ぬのかもね」と慣れないフラッシュを浴びた。だがトークの方は、とても初めてとは思えないエピソード満載の達者ぶりで終始、笑いが絶えなかった。
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取材する側だったからこそ、ニーズをくんでサービス精神を発揮してくれたのだと思う。ちなみにその数日後、松岡修造さん(57)の取材に行った。松岡さんも「普段はそっち側サイドの人なんで。今日は質問されるのね」と言いながら、サービス満点の回答を連発してくれた。
推し活をしながら90歳でYouTubeチャンネルを開設し、どこまでもエネルギッシュな東海林さん。30分間のイベントが終わった後、なぜだかこちらが元気になった気がした。【鎌田良美】
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