記者団の質問に答える石破茂首相=9日午後、首相官邸 石破茂首相(自民党総裁)は9日午後、日米関税交渉に関し、「外交交渉だから言えないことはあるが、現場を知っている野党の方々の意見、見識を承る場は必要だ」と述べ、与野党党首会談を開いて野党に協力を求める考えを示した。首相官邸で記者団に語った。
自民の森山裕幹事長は記者会見で、12日開催を呼び掛けていると明かした。首相は15〜17日にカナダで開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせてトランプ米大統領と会談する見通し。事前に交渉状況を野党党首に説明し理解を得たい考えで、内閣不信任決議案の提出を見送らせる狙いもありそうだ。森山氏は首相帰国後の再会談も要請する考えを示した。
首相は内閣不信任案が出されれば採決を待たずに衆院を解散する意向を自民幹部に伝えており、野党の判断が焦点。立憲民主党の野田佳彦代表は内閣不信任案提出を巡り、関税交渉を踏まえ「政治空白」が生じる懸念に繰り返し言及している。
野田氏は日本外国特派員協会の会見で「(交渉が)どこまで進捗(しんちょく)しているかよく分からない」と指摘。11日の党首討論で首相に問いただす考えを示した。