<第34回日本映画批評家大賞授賞式>◇9日◇東京国際フォーラム
河合優実(24)が「あんのこと」(入江悠監督)で主演女優賞を受賞した。入江悠監督(45)の監督賞と2冠に輝いた河合は「自分が誰かを演じる、映画を作ることが世の中にとって、良い働きかけになれたらうれしいので、頑張って続けていければと思う」と決意を語った。
「あんのこと」は、20年6月に新聞に掲載された少女の壮絶な人生をつづった記事に着想を得て、入江悠監督(45)が実話を元に脚本を手がけた。河合は劇中で、母親から売春を強いられ、薬物に手を染めるなどした底辺から抜け出そうともがく少女・杏を演じた。杏を救おうとする型破りな刑事・多々羅を佐藤二朗(56)、多々羅が運営する更生施設を取材するジャーナリスト桐野を稲垣吾郎(51)が、それぞれ演じた。
河合は「この作品を撮っている時は今、思い返すと、面白い、すてきということより、まず1つ1つのカットに臨む時に、どれだけささげられるかを大事にしていて」と口にした。その上で「演じた彼女(実在の少女)を守りながら、残すことだと思った。真摯(しんし)に現場に行って、演じることに努めていました」と撮影を振り返った。そして、受賞を受けて「評価していただいたり、見ていただいた。誇りに思える作品だったと思う。20年に確かにあった時間を残すことは、できたんじゃないかと思います」と、かみしめるように語った。
主催者側からの評価も聞き、河合の顔には笑みが広がった。「22年末に撮っていたので、いろいろなことがあった。関わる時、フレッシュな気持ちでいたいし、良い物を届けたかったので、うれしかった」と笑顔を見せた。
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