
事故で脊髄を損傷して車椅子で活動する、7人組アイドルグループ「仮面女子」のメンバー・猪狩ともか(いがり・ともか)さん(33)が自身のXを更新。宿泊先のホテルで起きた騒動について報告しました。
【写真】事故で脊髄を損傷…車椅子でアイドル活動する猪狩ともかさん
猪狩さんは「【誰かの助けが無いと私は死にます。】」と見出しをつけ、「仮面女子」のツアー中に泊まったホテルで15日深夜4時に起きたという出来事について言及しました。
「2階の部屋に女性マネージャーと一緒に就寝中、けたたましい火災報知器の警報音で目が覚めました」「しばらくすると部屋の中でも警報音が鳴り始め、これは只事ではないと思い急いで避難の準備を始めました」と、ことの発端を説明。
続けて「しかし私はあろうことか、ほぼ肌着状態だったので急いで服を着ましたがこの時点で相当な時間をロス。さらに私は下半身が麻痺していて、車椅子での避難なのでそこでも時間をロス」と当時の状況を記し、「普段からSNSで『有事の際をイメトレしてガスコンロを置かない』などと言っていますが、実際有事に遭遇しちゃうと完全なイメトレ不足ということが露呈しました… 」と反省。
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またエレベーターは停止しており、猪狩さんは「手伝いましょうか?」と声をかけてくれた見ず知らずの男性におんぶされた状態で避難することに…。ところが「ここで私は重大なミスを犯していることに気付きました【今の私、ノーブラだ…。】」と下着を着用していなかったことを明かします。「しかし!命と天秤には当然かけられません。 ありがたいお言葉に『(ノーブラですが)ありがとうございます!お願いします!(ノーブラですみません)』と伝えて男性におんぶで運んでもらいました」と振り返りました。
なお、車椅子は女性マネージャーともう一人の女性が運んでくれたほか、途中で脱げた靴は別の女性が拾ってくれたそうです。
「なんとか外に出ることができて、しばらくしたら誤作動とのお知らせ」と火事は発生してはいなかったことが判明。「私一人が避難するために5名程の方が、自分の命を危険に晒すかも知れないのに避難を手伝ってくれました」と報告し、「実際有事が起きても瞬時には動けないこと」「下半身不随の私は有事が起きた際、人の助けが無いと避難が難しいこと」を実感したとつづりました。
また今回学んだこととして「必ず避難経路は確認しておく」「(最低限の服を着用するだけでも貴重な避難時間をロスしてしまうことから)肌着だけでは寝ない」ということを挙げ、「改めて今回避難を助けていただいた女性マネージャー、そして宿泊客の皆さんに心から感謝を伝えたいです。 本当にありがとうございました」と気持ちを伝えました。
非常階段から降りた後にもトラブルが
なお、猪狩さんは続けての投稿で、非常階段から降りた後のトラブルについても言及。「火災報知器が鳴り避難した際、非常階段で降りた先の出口に車が停まっていて、十分な動線が確保されていませんでした。 健常者も身体を横にして通るほどの狭さでした」と述べ、車椅子は畳んでも通すことができず、車より高く持ち上げて運び出すことができたといいます。
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「肝心の避難経路が十分に確保できていなければ、車椅子ユーザーは自力で脱出できず焼死する可能性があります」とホテル側に伝えると、「そこは正規のルートではなく、もう一つの出口なら広かったんです」との説明が。しかし猪狩さんは「部屋から一番近い非常口が正規なルートなのではないでしょうか? 私たちの部屋からはそこが最寄りの非常口でした」などと述べるとともに、「『ここには今後車は停めない方がいいと思います。』と伝えさせていただいたので、今後ホテル全体で改善されたらとても有り難いです」と思いを語りました。
猪狩さんは2018年4月、都内の歩道を歩いていた際に、看板が強風で倒れる事故に巻き込まれ脊髄を損傷。両下肢完全麻痺と診断され、車椅子生活を送っています。