ブルペンで投球練習するロッテ・・木村優人[撮影=岩下雄太] 「本当にいろんなバッターと対戦してきて、バッターの特徴だったり、自分の投球と照らし合わせて打ち取るスタイルだったり、だいぶ最初の頃に比べて確立できてきました。そういうところでは、(一軍の雰囲気に)慣れてきたというか、苦手な意識はないですね」。
ロッテの高卒2年目・木村優人は開幕一軍を掴み、プロ初登板となった3月30日のソフトバンク戦で1回を無失点に抑えプロ初勝利を挙げ、4月18日の楽天戦でプロ初ホールド、5月15日の楽天戦では自己最速となる154キロを計測しプロ初セーブをマークと、ここまで14試合・19回2/3を投げ、1勝5ホールド1セーブ、防御率2.75と戦力として活躍している。
自主トレから“ストレートの強さ”を求めて取り組み、プロ初登板となった3月30日のソフトバンク戦で当時の自己最速となる152キロを計測すれば、5月15日の楽天戦、5−2の9回一死一塁で浅村に2ボール2ストライクから投じた5球目、ボールになったが自己最速の154キロをマークした。
こだわってきたストレートに関して一軍で通用している感覚はあるのだろうかーー。
「真っ直ぐに関しては通用するボールと通用しないボールがあるので、高めにふけたボールというのは、多少力があるのでファウルが取れるんですけど、垂れたりした時に捉えられたりしまったりというのが多いのかなと思います」。
変化球に関しても、カットボールを武器にしているが、2回を無失点に抑えた5月28日のオリックス戦、1−1の8回一死一塁で若月健矢を2ストライクから空振り三振に仕留めた136キロスプリットがストライクゾーンからボールゾーンに良い落ちだった。
スプリットに関しては、「キャンプの段階では使えるボールではなかったんですけど、一軍のバッターと対戦して経験していくうちに、自分の中でも感覚が良くなってきて、カットボール、小さいスライダーの次に自信のあるボールでもあるので、そこは自信を持って腕振って投げられています」と、手応えを掴んでいる。
現在一軍にはここまで43試合に出場して、打率.271、4本塁打、13打点の成績を残す同学年の寺地隆成をはじめ、7試合・43イニングを投げ、3勝3敗、防御率2.09と抜群の安定感を誇る1学年上の田中晴也など、同世代の選手が一軍でプレーしている。
近い世代の選手たちの存在について木村は「最近の寺地の活躍を見ていると悔しいではないですけど、自分ももっともっとやれるんじゃないかなという部分と、同じ同級生ではあるので一緒に頑張りたい気持ちもあります」と吐露。
「どうしても自分の結果を気にしてしまって、寺地の活躍を見ていると、すごいな、じゃないですけど、自分も負けていられないなという気持ちになります」と、寺地の活躍に刺激をもらっている。
彼らが将来のマリーンズを担うことは間違いない。「寺地も同級生なので、(田中)晴也さんもそうですけど、若手の力でチームを盛り上げて勝ちに繋げていけるように自分たちが引っ張っていくくらいの気持ちで投げたいなと思います」。プロ初先発する17日の阪神戦、敵地・甲子園のマウンドで、そのピッチングでチームの勢いをさらに加速させてほしい。
取材・文=岩下雄太