ミランがオファーを提示したMFハビ・ゲラ [写真]=Getty Images バレンシアに所属するMFハビ・ゲラに対して、ミランが獲得オファーを提示したようだ。16日、イタリアメディア『スカイ・スポーツ』が報じている。
“未完の大器”にイタリアの名門クラブからオファーが届いた。ハビ・ゲラは2003年5月13日生まれの現在22歳で、バレンシアのカンテラ出身。身長187cmとフィジカルに恵まれるとともに、推進力やキック力も備える大型MFは、クラブが37年ぶりの降格の危機に瀕した2022−23シーズンに、ルベン・バラハ元監督の下で台頭した。とくに印象深いのが、18位となったバジャドリードとの直接対決で決めた“劇的決勝点”で、結果的にあのゴールが天国と地獄を分けるものとなった。さらに、翌2023−24シーズンからはバラハ元監督が現役時代に着用ていた『8』を継承するなど、クラブレジェンドからの寵愛もありメキメキと成長。今シーズンは序盤戦こそ不調に陥ったものの、指揮官交代を境に好調となったチームに呼応するように、本来のパフォーマンスを取り戻すと、目下行われているU21EUROでも、U−21スペイン代表の絶対的な主力として活躍している。
そんなハビ・ゲラに対しては、かねてよりビッグクラブからの関心が取り沙汰されていたが、ついにミランが正式な獲得オファーを提示したようだ。『スカイ・スポーツ』によると、ロッソネロが提示した内容は、移籍金約1600万ユーロ(約27億円)に400万ユーロ(約6億7000万円)のボーナスを付帯させたものという。対するバレンシア側は約2500万ユーロ(約42億円)を要求しており、クラブ間で妥協点を探している状況とのこと。ただ、ミランが「ゲラの強い意思に基づき、より低い移籍金で契約を成立させることができる」と確信していることを併せて伝えている。
その一方で、先日行われたスペインメディア『COPE』のインタビューにおいて、ハビ・ゲラは「僕の願いはバレンシアに残ることだ」と明言。2027年夏まで契約(解除条項は1億ユーロ)を残している“新たな8番”は、「僕は契約を結んでいるんだ。残りたいと思う限り、僕のようにクラブを去る理由がない」とし、「クラブは今、経済的に良い時期とは言えないだろうけど、僕は常にクラブとともに歩んでいくと言ってきた。僕の願いはバレンシアに残ることだ。それが少しでも長く続くといいね」と告白。さらに「僕はバレンシア生まれで、バレンシアのファンだ。故郷の人々に囲まれ、キャリアを積むのにこれ以上の場所はないと思っている」とも語っていた。
ビッグクラブが注目する若手選手のひとりに挙げられるハビ・ゲラ。果たして今夏、気になる去就はどのような決着を迎えるのだろうか。願わくば、クラブオーナーを務めるピーター・リムの意向よりも、選手本人の意思が尊重されますように。