17日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比1.32ポイント(0.04%)安の3387.41ポイントと小反落した。
外部環境の不透明感が重しとなる流れ。中東地域の地政学リスクが依然くすぶっている。イランとイスラエルの軍事衝突を巡っては、和平交渉の動きが伝わるなど沈静化の期待が高まっていたものの、ここにきて再び混迷化した。攻撃の報復が治まる気配はなく、イスラエルはイラン首都テヘランへの空爆を強化。トランプ米大統領は17日午前(日本時間)、自身のSNSに「テヘランから全員退避するべきだ」と投稿した。
ただ、下値は限定的。中国経済対策の期待感が根強く、指数はプラス圏で推移する場面もあった。今月公表された中国の経済統計は総じて弱い内容。当局は今年の経済成長目標を達成させるため、追加の刺激策を打ち出すとの観測もある。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、医薬の下げが目立つ。浙江華海薬業(600521/SH)が6.8%安、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が3.6%安、浙江医薬(600216/SH)が1.9%安、人福医薬集団(600079/SH)が1.6%安で引けた。
ハイテク株もさえない。電子機器メーカーの成都旭光電子(600353/SH)が6.0%、LED・電子部品メーカーの聯創光電科技(600363/SH)が3.9%、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が2.9%、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が1.3%ずつ下落した。不動産株、自動車株なども売られている。
半面、エネルギー株はしっかり。中国中煤能源(601898/SH)が4.4%高、中海油田服務(601808/SH)が2.1%高、陝西煤業(601225/SH)が1.9%高、中国石油天然気(601857/SH)が1.8%高で取引を終えた。軍需産業株、公益株、運輸株、銀行株も買われている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.37ポイント(0.14%)安の255.63ポイント、深センB株指数が2.60ポイント(0.22%)高の1160.13ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)