映画『F1/エフワン』NYワールドプレミアに来場した(左から)ジェリー・ブラッカイマー、ブラッド・ピット、ルイス・ハミルトン、ティム・クック、ダムソン・イドリス ハリウッドスターのブラッド・ピット主演映画『F1/エフワン』(6月27日公開)のワールドプレミアが現地時間16日、米ニューヨーク・タイムズスクエアで開催された。
【画像】黒のフォーマルな装いのブラッド・ピット レッドカーペット前にはチーム「エイペックスGP」のF1マシンが展示され、集まったファン約500人とメディア約70社によって、会場は大盛況に。主演のブラッド・ピット、『トップガン マーヴェリック』の監督&プロデューサーの再タッグで注目を集める本作。キャスト&スタッフがレッドカーペットに姿を見せると、熱烈な拍手と歓声に包まれた。
かつて“天才”と呼ばれた伝説のF1レーサーにして、常識破りで型にはまらない主人公ソニーを演じたブラッド・ピットは、「ソニーというキャラクターは、どんなカテゴリーのレースでも走るタイプのドライバーなんです。今回は、昔の友人に呼び戻されてF1に復帰します。彼らは最下位のチームで、いわば一か八かの挑戦です。それでも彼は挑戦してみる。そこから物語が始まります」とキャラクターを紹介。
劇中では、過酷なトレーニングを経て本物のサーキットでF1マシンを自ら操縦していることも話題を集めているが、すっかりF1に魅了された様子のブラッドは、「まだ走ったことがないけど、ぜひ走ってみたいサーキットがあるんです。どのドライバーも口をそろえて“一番好き”とか“一番テクニカル”と言うのは鈴鹿です。いつか絶対に挑戦してみたいと思っています。きっと行きますよ!」と日本の鈴鹿サーキットへの憧れを口にした。そして、「日本の皆さん、また日本に行ける日を楽しみにしています!」と、日本のファンにもアピールした。
ソニーと対立しながらも彼の背中を見て成長していく若きルーキー、ジョシュアを演じるダムソン・イドリスは「ブラッドやハビエル、コシンスキー監督たちの大ファンなんです。私たちが作り上げたものをとても誇りに思っています」と、感無量な様子だった。
ソニーの旧友にして、彼をF1の世界に呼び戻しチームに招き入れるオーナー、ルーベンを演じたハビエル・バルデムは、「ルーベンは執念深い男です。彼は決してあきらめません。ドライバーは皆、F1マシンに乗るときは常に命を賭けています。彼らは本当にすべてを賭ける強い心の持ち主なんです。なぜならルーベンもドライバーだったからです」と語り、ブラッドとの共演を“素晴らしい経験”と振り返った。
ピットクルーのリーダーとして、チームのために最強マシンの開発に挑むケイトを演じたケリー・コンドンは「子どもの頃に憧れていた映画のすべての要素が詰まっている」と本作への熱意を語り、ブラッドとの共演を「リラックスして臨めた」と目を細めた。
監督のジョセフ・コシンスキーは『トップガン マーヴェリック』と同スタッフによる本作を「地上版トップガン」と注目されていることについて、「私たちは常に新しいことに挑戦しようと努力していますし、この作品でもそれができたと思っています。特に撮影方法の面でも、F1の週末という限られた時間内で撮影しなければならなかった点でも、大きなチャレンジでした。だからこそ、そのような言葉は本当にうれしいですし、ありがたく受け取ります」と感謝を述べた。
さらに、主演のブラッドについて「彼はまさに夢に描いた以上の存在です。ずっと彼と一緒に仕事がしたいと思っていましたし、この役を演じるために生まれてきた人だと感じていました。彼が出演をOKしてくれて本当にうれしかったです。台本以上のものをたくさん持ち込んでくれた。本当に素晴らしいんです」と大絶賛した。
プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは「F1の世界にブラッドを投入したことは驚異的だ。スポーツ映画としても、贖罪の物語としても最高レベル」と声を弾ませた。
また、F1レースの本番中にもカメラを回すという本作での“クレイジーな”撮影について、「ブラッド・ピットとダムソン・イドリスをシルバーストーン(イギリスのサーキット)で観客の前に立たせました。14万人の観客、テレビでは1億人が見ていました。彼らは時速300キロでサーキットを走り回りました。誰も彼らがF1マシンに乗っていることを知らなかったし、ミスもしなかったんです。それは本当にすごいです」と興奮気味に振り返る一幕も。
また、主演のブラッドや、プロデューサーにも名を連ねるF1ドライバーのルイス・ハミルトンについても触れ、「F1の世界に忠実であるように確信させてくれました。 また、モナコでF1ドライバーたちに映画を見せたら絶賛されました。本物の人々に 『よくやってくれた』と言ってもらえるのは最高のことなんです」と、F1関係者のお墨付き映画であることを誇らしげに語っていた。
レッドカーペット後に行われたプレミア上映前の舞台あいさつでは、コシンスキー監督が「この作品は、最初のアイデアから完成に至るまで、4年にわたる愛情と情熱の結晶です。F1の世界に飛び込み、その物語を描き、スクリーンに届けることができたのは、私にとって大きな名誉であり、特権でした。ここにお越しいただいた皆さんに、心から感謝いたします。この映画を完成させるために、何千人もの方々の力を借りました」と感慨深げにコメント。
そして、コシンスキー監督に「ソニー・ヘイズを演じるために生まれてきた男、唯一無二のブラッド・ピット」と紹介されたブラッドは、「この映画を皆さんにお届けできることを、本当にうれしく思っています。すべてのドライバー、チーム代表、チームの皆さん、スポーツキャストの方々、この映画の実現に力を貸してくださり、そして私たちをF1という神聖な世界に迎え入れてくださったすべての方々に、心から感謝しています」とあらためて感謝の気持ちを伝えていた。