横浜市内にある横浜港本牧ふ頭のコンテナターミナル(資料写真) 財務省が18日発表した5月の貿易統計速報(通関ベース)によると、米国向けの輸出額は1兆5140億円と、前年同月比11.1%減少した。前年水準を割り込んだのは2カ月連続。特に、トランプ米政権が追加関税を発動した自動車が24.7%減と、大幅に落ち込んだ。
自動車の輸出台数は10万2653台。減少率は3.9%にとどまり、メーカーが関税を一部負担した可能性が指摘されている。
対米輸出額は自動車部品も19.0%、鉄鋼は1.5%、それぞれ減少した。米国からの輸入額は13.5%減の1兆623億円で、輸出額から差し引いた貿易収支は4517億円の黒字だった。財務省はトランプ関税の影響について「判然としないが、輸出を控えるなどの影響が生じている可能性はある」と説明した。
米政権は3月に鉄鋼・アルミニウム、4月に自動車の関税を引き上げた。農林中金総合研究所の南武志理事研究員は「関税の影響はまだ経済指標に十分反映されていない。時間の経過とともに出てくるとみられ、今後の推移を注視する必要がある」としている。
5月の貿易収支は世界全体で6376億円の赤字だった。赤字は2カ月連続。輸出額は1.7%減の8兆1350億円で、インド向けの鉄鋼なども減った。輸入額は、原油や石炭の落ち込みで7.7%減の8兆7726億円だった。