「生涯収支マイナス4億円」粗品、競馬2日間で“1000万円”負け なぜファンは「生きる勇気をもらった」と熱狂するのか?

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2025年06月18日 16:20  女子SPA!

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画像:粗品(霜降り明星)Xより
お笑いコンビ・霜降り明星の粗品が、これまでの芸人にない異様な売れ方をしている。

◆若手お笑い界のエース・粗品の多彩な活躍と魅力

粗品といえば、お笑いコンビ・霜降り明星のツッコミ担当であり、若い世代を中心に絶大な人気を誇る芸人だ。コンビとしては、2018年に『M-1グランプリ』で史上最年少で優勝を果たし、一気に全国区の知名度を獲得。その後も『キングオブコント』や『R-1ぐらんぷり』など多くの賞レースで実績を重ね、お笑い界の中心的存在となった。

テレビのバラエティ番組でも活躍が目覚ましく、コンビではフジテレビ系の人気番組『新しいカギ』にレギュラー出演し、若年層からの支持を集めている。個人としても、『あのちゃんの電電電波♪』や『有吉の深掘り大調査』(ともにテレビ東京系)などに出演し、芸人としてのセンスを存分に発揮している。

さらに、粗品はラジオ番組でもその頭の回転の早さと独特の語り口を活かし、リスナーを惹きつけてやまない。テンポの良いツッコミや切れ味鋭いコメント、進行役としての安定感など、正統派の芸人として高い評価を受けており、トーク力・企画力ともに一級品だ。

◆YouTubeで見せる“裏の顔”

一方で、霜降り明星・粗品が個人で運営するYouTubeチャンネル『粗品 Official Channel』では、彼の真骨頂とも言える鋭い舌鋒と独特のユーモアが炸裂し、テレビとは一味違った“裏の顔”をのぞかせている。

中でも特に注目を集めているのが、時事ニュースや芸能トピックスなどを独自の視点でバッサリと切り捨てる人気企画「1人賛否」だ。このコーナーでは、粗品ならではの毒舌が全開となり、視聴者の間で「言いすぎだけど、的を射ている」と話題を呼んでいる。

毎週のようにその過激な発言がネットニュースで取り上げられ、SNSでも賛否両論が巻き起こるなど、炎上すれすれのギリギリを攻めるスタイルが逆に人気を集めている。

その結果、チャンネル登録者数は右肩上がりに増加し、2025年6月中旬時点で235万人を突破。芸人としてだけでなく、いまや「発信者」としての影響力も無視できない存在となっている。

また、同チャンネルで「1人賛否」と並んで高い支持を得ているのが、粗品の“ギャンブル愛”を全面に押し出した一連の動画シリーズだ。競馬やパチンコ、麻雀など、様々なギャンブルに全力投球する様子は、笑いとともに哀愁すら漂わせ、視聴者の共感を呼んでいる。

勝てば大喜び、負ければ暴言を吐きつつも自己責任として受け入れるその姿勢には、どこか人間臭さがあり、多くのファンを惹きつけてやまない。

◆“生涯収支マイナス4億円君”誕生──粗品の破天荒すぎるギャンブル人生

粗品は毎週のように競馬予想を行うのだが、ことごとく外れることでファンの間では「粗品の呪い」と呼ばれるまでになっている。粗品が予想した馬券は買わないのが定説となり、競馬ファンだけでなくギャンブルに興味がない視聴者からも注目を集めている。

そんな粗品だが、競馬にかける金額が大きく、現時点では4億円負けているとして「生涯収支マイナス4億円君」を名乗っている。6月5日公開の動画では2日で計1000万円を失い、税金の支払いができないと報告しているほどだ。

6月6日に配信したもう1つの個人チャンネル『粗品のロケ』の動画では、金欠でロレックスとウブロの高級時計を買取店に売りさばく様子を披露するまでになった。昨年に計968万円で購入した時計が143万円減の825万円の査定結果になったが売却するという、常人には考えられない異常行動をしている。

この無茶苦茶な行動に対し、ファンは動画のコメント欄へ「自分の悩みの小ささを思い知らされて前向きになれる」「しんどかったけど、元気が出た」「生きる勇気をありがとう」などと投稿している。

特に、2日間で計1000万円を負けたと報告した動画は、生きる希望をもらったという感謝のコメントであふれた。普通に考えれば常識が外れの行動をしている粗品だが、借金を報告するたびに熱狂的なファンを次々と生み出している。なぜ、こんな現象が起きているのだろうか?

◆ファンが熱狂する理由

理由として、粗品がギャンブルで借金をすることをエンタメ化できたことが大きいと考えられる。借金をしたり税金が払えないといった、追い込まれていく様子を隠さず披露して、ひとつの笑えるコンテンツを作り出したのだ。

現在、粗品レベルの知名度の芸能人で、ここまで大っぴらにギャンブルの負けを明かしているケースは稀だ。しかも、トークセンスが抜群であるため、競馬に負けた話だけなのに笑えてくる。「人の不幸は蜜の味」と言うが、粗品はギャンブルで借金を負うことで視聴者に笑いを提供しているのだ。

さらに、しっかり本業の仕事で結果を残していることで「2日間で計1000万円を負けた」という発言も悲壮感なく笑えるセリフに聞こえてくる。つまり、芸人として成功しているからこそギャンブルで作る借金も笑えるという、粗品にしかできない笑いのフォーマットを作り上げることに成功しているのだ。

現在は「クズ芸人」が頻繁にテレビ出演をするようになっているが、粗品はあくまでテレビやラジオ、舞台では正統派な芸人として活動し、YouTubeだけで「クズっぷり」を披露している。「クズ」を安売りしない姿勢もカリスマ性を高め、熱狂的なファンを生み出すのだろう。

これまでの芸人にはない形でファンを増やし続けている粗品。今後も、どれだけ面白おかしくギャンブルで負けて借金を作り、笑いに変えていくのか注目だ。

<文/ゆるま小林>

【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆

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