沖縄戦の洞窟など案内=ボランティア「実態知って」―参加者400万人超、沖縄・友の会

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2025年06月21日 15:01  時事通信社

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時事通信社

修学旅行生に沖縄戦の説明をする高嶺典子さん(奥中央)=5月21日午後、沖縄県糸満市
 太平洋戦争末期の沖縄戦の実態を知ってもらおうと、「沖縄県観光ボランティアガイド友の会」は四半世紀以上にわたり、修学旅行生らを住民らが避難した洞窟などに案内して来た。これまでの参加者は400万人を超えるという。あるボランティアは「本土の人にも、沖縄戦での悲劇を知ってもらいたい」と話した。

 友の会は、沖縄戦当時、住民らが避難した洞窟に実際に入り、悲惨な実態を体験して学ぶことで平和を訴えるのを目的に1997年8月に設立された。現在の会員は戦争を体験した90代から、戦後生まれの30代の若い世代まで約60人が在籍している。

 5月21日、修学旅行で訪れていた大阪府の藤井寺市立道明寺中学校3年3組の生徒34人が、沖縄県糸満市にある洞窟に入る体験学習を行った。山城本部壕(ごう)と呼ばれる洞窟で、沖縄戦当時、陸軍病院の本部としても使用されており、実際に使われた陶器なども残されたままになっている。体験学習後、3年の西田和広さん(14)は「改めて過酷な状況で生活していたということを実感した」と振り返った。

 この日、ガイドを担当した高嶺典子さん(76)は「ガマ(洞窟)に入る前と後では生徒たちの顔つきが変わっていた。実際の現場を見て、良い学習になったのではないか」と振り返った。

 「沖縄の現状を見るとまだまだ平和の問題は解決してない」との思いで、約12年前からガイドを始めたという高嶺さん。「80年前の悲劇を繰り返すことだけはやめてほしい」と生徒たちに呼び掛けた。 

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