
身に覚えのない疑いをかけられることは、誰にとってもつらい経験だ。ましてやそれが幼い頃の出来事であれば、心の傷として長く残ってしまうこともあるだろう。
宮城県の50代女性から寄せられたのは、子ども時代に「祖母に泥棒扱いされました」という悲しい記憶だ。9歳くらいの頃、姉妹と祖母の家に泊まりに行った後のことだった。祖父の大切な時計が見当たらなくなったという。
「どうしても時計の在処を知りたかった祖母が頼ったのは、怪しげな自称見える人で、その方が姉でも妹でもなく私が盗んだと言ったようです」
もちろん身に覚えのないことで、完全に濡れ衣だったが……。(文:篠原みつき)
両親にも疑われ「とても悲しく虚しくなった」
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当時、祖母から両親へ連絡が入り、「さっそく事情聴取されました」と振り返る。
「両親は怪しげな人が言っていると認識しながらも、私を疑うような発言もありとても悲しく虚しくなった」
女性は「占いでもありがちな事だけど」と前置きし、相談者が「こちらから情報を与える」場合があるとする。その怪しげな人物が何の情報もなく「泊まりに来た孫の1人にが盗んだ」と発言したとは思えないというのだ。
「祖母の性格考慮すれば、どうせ『孫達が泊まりに来ていたから孫の誰かが持って行ったかも知れない、孫達が泊まりに来る日まで時計は確実にあった…』とか自論を語ったのだと推測しています」
勝手な憶測で犯人に仕立て上げられてしまったのだ。今は女性自身にも孫が二人いるためか、「そんな人の話を鵜呑みにし孫を疑うなんて」と怒りあらわにした。
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「だいたい当時の私はブランド品だとかなんて分からないし、盗んだところで今の時代じゃないのだから売りようもないし何の得にもならないのに…」
こう呆れたように回想した。何も知らない9歳の子どもを、大人が寄ってたかって疑ったのだ。幼心につけられた傷は、いつまでも癒えないのではないだろうか。ところが、女性が濡れ衣を着せられた事件は、これにとどまらなかった。【後編へ続く】
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