ポテトを主食にして食べ進めていこう筆者は家で仕事ができない。マンガ、ゲーム、テレビ、ベッドなど、誘惑が多すぎる。監視の目がなければ、ダラダラとサボってしまうのだ。
そのため、パソコンを持ってファミリーレストランや喫茶店で仕事をする。ただ、起きるのが遅いため、入店時間が昼過ぎや夕方になり、閉店間近の21:00や22:00頃になってようやく筆が乗り始める。そうなると、どこかで仕事の続きをしなければならない。しかし、そんな遅い時間に空いている店は少ない。それに、家に帰るとなぜか寝てしまう。どうしたらよいのか……。
そんなときに便利なのがガストである。近所のガストは23:00や24:00まで営業しているだけでなく、少し足を伸ばせば26:00まで開いている店舗もある。これはありがたい。
普段はドリンクバーで充電しながら長時間粘る最低の客なのだが、今日は腹も減っているから、2000円分、食事をしたいと思う。
◆「ハーフサイズ」を組み合わせるべし
本来、ガストはいろいろ単品を頼むのではなく、定食やグリルなどの豪華一点主義だ。しかし、ライスかパンなどセットメニューを頼むだけで1500円近くになってしまう。それは面白くない。
また、物価高により、どの外食チェーンも値上げに歯止めがかからない。そのため、ガストでは通常のサイズよりも量も値段も半分となる「ハーフサイズ」の組み合わせ方が重要となる。
そこで、筆者が考えた2000円の使い方は、山盛りポテトフライ+マヨネーズ(470円)、セットドリンクバー(390円)、ハーフサイズのこく旨ミートソース(490円)、若鶏スパイス焼き(440円)、そしてミニねぎとろ丼(450円)だ。さすがに2000円ポッキリとはいかず、数百円オーバーするのは仕方がない。
◆ポテトフライを主食に。そして「山盛り」で
まず、ファミレスにおける「ご飯と味噌汁」は、「ポテトフライとドリンクバー」である。特にガストのポテトフライは太めで食べ応えがある。そのため、ポテトフライを主食として、組み合わせを考えたほうがいい。
大事なのはハーフや普通のサイズではなく、「山盛り」を選ぶことだ。「ひとりだからそんなに食べないよ」と思いがちだが、結局、物足りなくなるため、山盛りにして「飽き」が近づくまで食べるべきである。
また、ソースはいくつか選べるが、酸っぱくない欧米式のコクのあるマヨネーズ一択だ。人とシェアするならケチャップやマヨ&明太バターも選択肢になるが、「山盛りポテトフライ」をひとりで食べるのだ。余計なことは考えず、マヨネーズを二度漬けしよう。
◆炭酸ジュースに「ガムシロップを2つ」入れる
もうひとつ大事なのがドリンクバーである。93キロの筆者は、体脂肪が多い分、圧倒的に水分が足りていない。そのため、ファミレスではドリンクバーのそばの席を陣取り、1杯飲んでは次のドリンクを注ぐという、文字通り「飲み放題」を実現しなければならない。
ファミレスの組み合わせにドリンクバーを入れることを、「悪手」と考える人もいるかもしれない。浮いた390円で小鉢を追加できる。しかし、筆者の外食テーマは「家ではできないこと」である。
ドリンクバーで好きな炭酸ジュースを注ぎ、ガムシロップを2つ入れる。甘さダブルで脳が揺れる。誰かと一緒に食事するときに、この飲み方をすると、十中八九引かれてしまうため、ひとりで食べるときの楽しみに取っておこう。
そもそも、390円でコーラやコーヒー、ホットティーまで飲み放題である。これこそ、外食の醍醐味だ。さまざまな種類の飲み物を一度に楽しめることができる。家でこれをやろうと思うと、費用がかかるのと冷蔵庫がいっぱいになる。
◆付け合わせのブロッコリーで野菜を補う
「家で食べられない」ことを重視するのであれば、パスタはもったいないと思う人もいるかもしれないが、ハーフサイズでも生パスタは腹持ちがいい。おまけに、ガストの生パスタは専門店のように麺がもちもちで食べ応えがある。これは自宅で再現するのは難しい。
同じ生パスタであれば、ペペロンチーノやカルボナーラなどもあるが、ここでミートソースを注文するのはポテトフライとの相性が抜群だからだ。あえて、ケチャップを頼まず、マヨだけに集中したのは、ここでトマトの味をバッティングさせるためだ。
しかし、ファミレスまで来て、熱い鉄板メニューを選ばない手はない。ハンバーグでは物足りないが、ステーキほどではない。そこで、チキンという選択だ。付け合わせのブロッコリーがあるため、一応、野菜を摂っていることにもなる。また、ポテトフライがこの段階まで食べきれていない場合は、チキンをおかずにしてポテトフライを食べることができる。
◆物足りなさを解決してくれる「ねぎとろ丼」
そして、「隠れ人気ナンバーワン」のねぎとろ丼は外せない。ハーフとはいえ、米の量は十分なので、仮にポテトフライや生パスタを食べ終わって、「なんか物足りないな」と感じても、その気分を解決してくれる。
500円以下のプレートだけでも、味のバリエーションは豊かで腹持ちもいい。まさに、ファミレスで作業をする人間のための食事である。筆も進む。
こうして、夜なのか朝なのかよく分からない時間に店を出る。今日の仕事は終わったが、まだまだやることはいっぱいだ。
だけど、今から寝ると目が覚めるのはまた昼過ぎ。ちょっとした昼夜逆転で体に負担がかかっていることも十分理解している。しかし、これもフリーライターの宿命。そんなときに、ふと気づくのであった。
「ここ数年、市から届く健康診断の案内開いたことないな……」
<TEXT/千駄木雄大>
【千駄木雄大】
編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。出版社に勤務する傍ら、「ARBAN」や「ギター・マガジン」(リットーミュージック)などで執筆活動中。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)がある