タイの日本人女性YouTuberが明かす、“海外移住”のリアル「日本とは全然違う」「生活も仕事もなんとかなる」

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2025年06月23日 09:20  日刊SPA!

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YouTubeチャンネル「パッタイガールズ」のYENAさん(左)とMIAさん(右)
今の日本社会のなかでは、将来の展望を描きづらいと感じている人も少なくないだろう。
そんな閉塞感に流されることなく、自分らしい人生を見つめ直し、思い切って“違う世界”へと踏み出した女性もいる。

タイ・バンコクで暮らし、企業の現地採用スタッフとして働くYENAさんとMIAさん。タイ在住のリアルな生活情報や旅行情報を発信するYouTubeチャンネル「PADTHAI GIRLS パッタイガールズ」を運営している。

移住から約5年半。2020年から本格的に活動をスタートさせ、今年を目処にYouTube卒業をひかえている彼女たちに、今あらためて感じることを聞いた。

◆偶然の出会いから始まった、バンコクでの新たな人生

兵庫県出身のMIAさんと、大阪出身のYENAさん。同じ関西圏という共通点はあるが、日本にいる頃は面識があったわけではないという。

MIA「日本ではまったく知り合いじゃなかったんです。私が最初に仲良くなったのは、YENAのお姉さん。行きつけの美容サロンのスタッフがYENAのお姉さんで、そこでたまたま繋がって。

私はそのとき、新卒で入った広告代理店で1年半働いていたんですが、正直すごくしんどくて……。残業が当たり前で、昔ながらの“日本らしさ”を強く感じる会社でした。でも、その風潮に共感できなかったんですよね。“こうあるべき”という枠に合わせていくのが、本当にしんどくて」

幼少期を香港で過ごした帰国子女のMIAさんは、もともと「いつか海外で暮らしたい」という気持ちを持ち続けていた。

MIA「それで、お姉さんにその話をしたら、『妹(YENA)もバンコクで働く予定だから、連絡取ってみたら?』って。それが、YENAと出会った最初のきっかけです」

YENA「私は日本でホテルの本社の事務をやっていたんですけど、“安定”に物足りなさを感じていて。韓国にいたこともあるので、海外暮らしに抵抗はありませんでした。とはいえ、タイ語は全然話せなくて、正直すごく不安でした。でも、“ダメだったら帰ればいいや”っていう気持ちで。キャリーバッグ1つでバンコクに来ました(笑)」

◆語学力ゼロでも就職できる? 現地採用で働くことのリアル

英語が少し話せるMIAさんと、英語もタイ語も「全然ダメ」のYENAさん。そんな2人が、どうやってバンコクでの就職を叶えたのだろうか。また、日本とは違うタイでの働き方には、どんな魅力があるのだろうか。

MIA「最初は転職エージェントを利用し、タイで就職したのですが、これも合わなくてすぐに退職をしました。結果的にタイに住んでいる知り合いを頼って、現地採用で就職することができました。正直、その繋がりがなかったら今頃、日本に戻ってたと思います。

タイの働き方って、日本みたいに“ルール通りにしなきゃ”っていう堅さがあまりなくて、自分のペースで働けるのが心地いいんですね。ただ、その分、福利厚生や安定感で言えば、やっぱり日本の方がしっかりしてるかも」

YENA「私は日本にいたときに就活して、現地採用のポジションを見つけました。日本語で仕事ができる職場だったのが大きかったですね。タイ語はまったく話せなかったんですけど、それでも生活も仕事もなんとかなるもんです(笑)。タイの人たちって、本当にあったかくて。関西出身の私からすると、その“ゆるさ”がすごく肌に合ってる気がします」

◆「普通じゃない生活を届けたい」YouTubeを始めた理由

バンコクで新たな暮らしと仕事を始めた2人は、ほどなくしてYouTubeチャンネル「パッタイガールズ」を立ち上げる。YouTubeを始めたきっかけには、彼女たちならではの背景があった。

MIA「バンコク在住の知り合いにYouTuberがいて、『自分でも発信してみたい』って思ったのが始まりです。タイに住んでいると、『こういう情報がもっとあったら助かるのに』って思うことが多くて。それなら、自分たちで作ってみようと。ちょうど隣にYENAがいたので、『一緒にやってみる?』って声をかけたら、ノリでスタートしました(笑)」

YENA「ちょうどコロナ禍で、みんながそれぞれに違う経験をしていた時期だったし、私たちも“普通じゃない生活”をしていて。『これをシェアしたらきっと誰かの役に立つかも』って思ったんです。移住のこと、生活費のこと、物件情報など、自分が不安だったことを誰かの役に立つ形で発信できたらいいなって」

「パッタイガールズ」としての活動も、今年で5年目を迎えた。これまで続けてきた中で、「やってて良かった」と思えた瞬間について聞いた。

MIA「やっぱりオフ会ですね。画面越しじゃなく、直接『ありがとう』って言ってもらえるのが本当に嬉しくて。あとは、動画撮影を通じて行ったクラビの秘境リゾートとか、普通の生活じゃ行かなかった場所にも行けたのも良かったですね」

YENA「YouTubeを通じて知り合った人たちと、スパ付きのリゾートに撮影にいったのですが、撮影そっちのけで楽しんじゃったりして(笑)。YouTubeをやっていなかったら、出会えなかった友達や、できなかった経験がたくさんあります」

◆月5万円の家賃、外食中心でも抑えられる生活費

現在、バンコクのコンドミニアムで暮らすMIAさんとYENAさん。実際の家賃や生活費についても聞いてみた。

YENA「私はスタジオタイプの部屋に住んでいて、家賃は月1万1000バーツ(約5万円弱)くらい。中心部から少し外れたエリアにあるので、静かで暮らしやすいです。生活費は月3〜4万バーツ(約13〜17万円)くらい。

食費は月8000〜1万バーツ(約3万5000バーツ〜4万4000円)くらいで、外食がメイン。フードコートやローカルのお店が多いですね。ビールも1杯80バーツ(約350円)くらいと安いので、あまり贅沢しなければ結構抑えられます。MIAほどは自炊してないけど(笑)」

MIA「私は夫と2ベッドルームの部屋に住んでいて、家賃は月2万バーツ(約8万8000円)で折半しています。ローカルスーパーも利用していて、自炊もよくします。ランチはコンビニやデリバリーを使うことも多くて、1食だいたい100バーツ(約440円)前後。食費は月8000〜1万バーツ(約3万5000バーツ〜4万4000円)くらいですね。お酒はほとんど飲まないので、その分は節約できてると思います」

YENA「行く前は『本当に住めるのかな?』って不安もあったんですけど、行ってみたら意外となんとかなるもんで(笑)。“ダメだったら帰ればいいや”くらいの気持ちで来たんですけど、気づけば帰る理由が見つからなくなりましたね。

ただ、言語の壁を感じることも時々あります。たとえば、スマホの料金プランを安くしたくてモバイルショップに行ったんですけど、スタッフの説明が全然わからなくて……。結局そのまま高いプランを使い続けてます(笑)」

◆タイは行けば“なんとかなる”

活動を続けてきたYouTubeチャンネル「パッタイガールズ」も、節目を迎える。

MIA「実は、今年いっぱいでYouTuberを卒業する予定なんです。結婚というライフステージの変化もあって、一区切りつけようと思っています。最後に、『移住前に知っておきたかったこと』など、役立つ情報をしっかりアップデートして終わりたいですね」

最後にタイ移住を考えている人へのメッセージをたずねた。

YENA「“30代女性”という見られ方が、日本とは全然違うんです。タイでは結婚していなくても、キャリアがまだ定まっていなくても、誰も気にしない。“マイペンライ(なんとかなる)”という空気感があって、すごくラクなんですよね。来てみないとわからないことが本当に多いけど、言葉が話せなくても日本語だけで生活はなんとかなります。悩んでいるなら、まずは一度来てみてほしいです」

MIA「私も日本では最初の会社が合わなくて悩んでいたけれど、タイに来てから本当に視野が広がりました。合う人にはすごく合う場所だと思いますし、合わなければ日本に帰ればいいだけ。だからこそ、思い切って飛び込んでみてほしいです。それに、バンコクは想像以上に都会。ショッピングモールも多いし、日本食レストランやデリバリーも充実していて、日本にいるときとほとんど変わらない感覚で生活できるのが魅力ですね」

<取材・文/カワノアユミ>

【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

このニュースに関するつぶやき

  • いや…60過ぎまで続けてからの振り返り(感想)だろ、福利厚生の事言うてるけど、年取りゃ身体もガタくるんやで〜、動ける今を力一杯楽しんで下さいね
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