【バレー】思いが1つになったVNL中国大会「スタートで出る責任を…」大宅真樹/広報リポート

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2025年06月23日 10:01  日刊スポーツ

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散歩中に記念撮影する(左から)大塚、富田、永露(C)JVA

<男子日本代表広報リポート 第2回>



バレーボール男子日本代表の島崎圭二広報がお届けする「男子日本代表広報リポート」の第2回。ネーションズリーグ(VNL)から世界選手権まで代表チームに密着。舞台裏や秘話を交えながら、選手情報やトピックを不定期連載でお届けします。


   ◇   ◇   ◇


男子日本代表は15日、中国・西安で行われた今季初の国際試合となるVNL予選ラウンド第1週を終えました。世界ランキング1位のポーランドには敗れたものの、3勝1敗と順調な立ち上がりとなりました。今回はそんな中国大会を振り返ります。


8日に西安に到着した日本代表。11日の開幕に向けて練習に励みます。初戦の相手は、ホーム中国。司令塔のセッター大宅真樹選手は「アウェーとか関係なく、自分たちのバレーを展開することに集中する。中国は大きい選手がたくさんいる。ブロックとかでプレッシャーをかけられると思うが、僕はスパイカーを信じてトスを上げたい」と意気込んでいました。


迎えた第1戦。大宅選手の言葉通り、中国をサーブで崩し、ディフェンスをつないでブレークする日本らしいバレーを展開。アウェーの中、見事なストレート勝利を挙げました!


翌日は世界ランキング1位でパリ五輪銀メダルのポーランドとの対戦。若手中心ですが、身長もスキルも高いメンバーがそろった強豪に、第1、2セットを失ってしました。しかし、第3セット、中国戦では出番の無かった選手たちがコートで躍動し、このセットを奪い返します。続く第4セットは35点を超える激闘となったものの、あと1歩及ばず敗戦。それでも、しっかりと足跡を残しました。


この日がトップ代表デビューとなった選手たちの活躍には、光る物がありました。ミドルブロッカー西本圭吾選手がスパイクを決め雄たけびを挙げれば、リベロ藤中颯志選手がナイスレシーブを、セッター下川諒選手が攻めたトスアップを披露。大学生のオポジット高橋慶帆選手は高いブロックをものともせず、スパイクを打ち抜く姿がありました。


試合後のロッカールームでロラン・ティリ監督は「監督として誇らしい試合。控えの選手たちが活躍してくれ、ポーランド相手でも対等に戦えたことが素晴らしい。ファンタスティックな試合でした」と途中から出場した選手をたたえました。


一夜明けて、セッターの大宅選手は「昨日はベンチから見ていた僕らも感動する試合だった。後から出たメンバーたちの強い気持ちがプレーに出ていた。そんな気持ちがスタートから出ているチームでないと戦えない。スタートで出る責任を感じながら、コートに入っていきたい」と力を込めました。


スタメンでも、控えに回っても、思いは1つ。それは「チームを強くしたい、勝ちたい」ということ。


選手全員が、同じベクトルを向いて戦えているのを感じました。


その後、セルビアとオランダにストレート勝利。目標だった中国大会3勝をマークし、18チーム中2位に付けています。


「チームの雰囲気はすごく良いです。誰かに頼るではなく、みんながチームを勝たせたいと思ってコートに立っている。それは良いこと、必要なことだと思う」と大塚選手。この言葉が、全てを物語っていると思いました。


今週はブルガリア大会です。引き続き熱いご声援を、よろしくお願いします!


◆島崎圭二(しまざき・けいじ)1965年(昭40)2月7日、埼玉県羽生市生まれ。テレビ制作会社のディレクターとして、TBSスポーツ局で勤務。バレーボール男子日本代表担当として、05年から21年まで取材。東京五輪後は1度バレーボールの現場から離れたものの、恋しさから広報カメラマンとして復帰。

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