裁判長「警察庁幹部による漏えい認められず」 野田議員夫の請求棄却

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2025年06月23日 19:22  毎日新聞

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毎日新聞

東京地裁=東京都千代田区で、米田堅持撮影

 警察庁幹部の誤ったリーク(情報漏えい)で週刊文春に暴力団員だったと虚偽の記事を報じられたとして、野田聖子衆院議員の夫(57)が国に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は23日、夫側の請求を棄却した。余多分(よたぶん)宏聡裁判長は「警察庁幹部による漏えいの事実は認められない」と結論付けた。


 夫が文春側に損害賠償を求めた別の訴訟では2022年、東京高裁が一部の名誉毀損(きそん)を認めたものの、夫が暴力団に所属していたとする点は警察庁幹部からの情報と他の証拠が合致するとして「真実である」と認定し、最高裁で確定している。夫側は今回の訴訟でも「暴力団に所属していた事実はない」と主張したが、争点はリークの有無に絞られ、東京地裁はこの点について判断を示さなかった。


 文春は17〜21年、3回にわたり、野田議員の夫が暴力団に所属していたと報じた。訴訟では文春の元編集長が証人出廷し、警察庁幹部から情報を入手したと認めたものの、具体的な情報源は明かさなかった。


 23日の地裁判決は、文春側が警察庁幹部ではない本当の取材源を秘匿するために、警察庁幹部の情報だと偽った可能性が否定できないと指摘。警察庁のリークを裏付ける客観的な証拠はないと判断した。【安元久美子】



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