10代のLGBTQ(性的少数者)のうち、過去1年間に自殺を考えた人が過半数に上り、約2割は自殺未遂の経験を持つ。NPO法人「ReBit(リビット)」(東京)が行ったアンケート調査でこうした結果が出た。LGBTQの啓発イベントが世界で開かれる「プライド月間」の6月に合わせて公表。代表理事は「当事者が安心して相談できる人や場所が足りていない」と訴えている。
アンケートは2〜3月、12〜34歳のLGBTQ当事者4925人にインターネットで実施。4733人が回答した。
年代別では、10代のうち過去1年に「自殺を考えた」人が53.9%、「自殺しようとした」人は19.6%だった。「自殺を考えた」割合は20代で40.5%、30代前半は30.3%だった。
10代の40.8%は、自身の性の在り方について安心して相談できる人や場所がないと回答。自由記述では「中学で友達に『同性愛者は無理』と言われ、親にも自分をさらけ出せたことはない」などの声が寄せられた。
また、LGBTQに関する授業を受けたという学生・生徒のうち、3割が「教職員から差別的・否定的・誤った発言があった」と答えた。4割は「内容が不十分だった」とした。
NPO法人の薬師実芳代表理事(35)は「教育の機会は増えているが、教職員の理解や授業内容は十分ではない。教職員に対する理解促進が急務だ」と話している。