日本製鉄の株主総会の会場を案内する看板=24日午前、東京都千代田区 米鉄鋼大手USスチールの買収を完了した日本製鉄が24日、東京都内で株主総会を開いた。株主は、米国政府の反対を乗り越えて買収を実現したことを評価。一方、巨額投資の効果や、経営上の重要事項に米政府が拒否権を行使できる「黄金株」を発行する仕組みに懸念の声も聞かれた。
黄金株発行を疑問視した投資ファンドが、今井正社長と森高弘副会長の取締役再任に反対するよう株主に呼び掛けていたが、会社側が提案した人事など3議案はすべて可決された。総会には昨年の約2倍となる1257人が出席し、1時間56分で終了した。株主の質問のうち、おおむね半分がUSスチール関連だった。