ベランダの手すり(写真はイメージ) 住宅の窓やベランダなどから子どもが転落する事故が多発していることを受け、消費者安全調査委員会(消費者事故調)は24日、転落防止対策をした住宅の普及や、防止策の周知啓発などを求める報告書をまとめた。
事故調によると、2024年までの32年間に起きた6歳未満の子どもの転落死亡事故は134件。発生場所はベランダが92件、窓が42件だった。原因は付近に足掛かりとなるものがあったり、子どもの手が届く位置に窓の錠があったりすることが多く、半数近くは保護者の在宅中に起きた。
報告書は、国土交通省が定めるガイドラインに沿った住宅であれば事故防止に効果があると指摘。具体的には床から150センチ程度上に補助錠を設置することや、室外機をベランダの手すりから60センチ以上離すことなどがあるとし、住宅関連業者に国が周知するよう求めた。
また、ダイヤル錠や補助錠など事故防止用製品については、「取り付けると窓の開閉が不便」といった声もあるとし、利便性に配慮した新製品開発をメーカーに要請した。
子どもが転落するプロセスや防止方法について、保護者の認識が不足しているとも指摘。子どもの見守りだけで防ぐことは難しいとして、母子保健事業などの機会を通じて防止策を啓発するよう提言した。