
「気持ち的にグンと若返った」
“バカ映画の巨匠”こと河崎実監督の最新作『還暦高校生』(6月27日公開)で、61歳の元アイドル・ひかる一平が学ラン高校生を熟れた演技で魅せる。
43年ぶりの映画主演
老け顔の高校生という設定なのかと思いきや、42回留年しながらも一所懸命に令和時代の高校生活をエンジョイしているというトンデモ設定。近藤真彦と同期だった元アイドルは何を思うのか。
「オファーの内容をお聞きした時は『なにかの冗談?』と笑いました。制服姿で演じるということで時代的にブレザーなのかと思いきや、まさかの学ラン。『嘘だろ?』とまたまた笑うしかありませんでした」
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TBS系連続ドラマ『3年B組金八先生(第二シリーズ)』(1980年)の生徒役や『必殺仕事人』のレギュラー俳優として知られるひかる。現在は俳優としての一線を退き、2012年に興した子役系芸能プロダクションの代表を務めている。
「うちに所属する子たちのバーター的に力を貸すことはありましたが、それ以外での俳優のお仕事はお断りしていました。カメラの前で本格的に演技をするのは7年ぶりくらい。映画主演は『胸さわぎの放課後』以来43年ぶりです」
“腐ったミカン”と再共演
それがどうして還暦学ラン高校生のオファーに首を縦に振ったのか。
「芸能界に身を置いて45年、裏方としては13年。走り続けて頑張って来たからこその何かの縁の巡り合わせなのかなと。笑うしかないオファーではありましたが、『頑張っていれば必ず誰かが見ていてくれる』。そんな言葉が頭をよぎったのです」
縁の巡り合わせ、とは言い得て妙だ。「腐ったミカン」こと加藤役の直江喜一と『3B』以来44年ぶりに共演した。堀越高校のクラスメイトで元アイドル・森井信好とも念願の初共演。そんな懐かしの面々と荒谷二中放送室籠城事件を彷彿とさせるシーンにも臨んだ。
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「昔の仲間を前に還暦を超えて学ラン高校生を演じるなんて…。デビュー当時16歳の僕は思いもしなかった。でもある意味、夢のある話ですよね。学ランも着ていくうちに恥ずかしさの峠を越えました。記憶力・体力の低下に老眼。肉体の衰えは感じましたが、気持ち的にはグンと若返った。人生の面白味を感じさせてくれる、こんな素晴らしいきっかけはそうありません」
16歳の爽やかな面影がそこには確かにあった。
(まいどなニュース特約・石井 隼人)
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