「気温で色が変わる家」で冷暖房の使用量を減らす!? 画期的なペンキの開発が進行中

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2025年06月27日 12:10  J-WAVE NEWS

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J-WAVEの番組『STEP ONE』には、ナビゲーターのサッシャ、ノイハウス萌菜が気になる海外ニュースをお伝えする「CHINTAI GLOBAL BEATS」というコーナーがある。ここでは2025年6月にオンエアされた同コーナーから、イチオシトピックとして「気温で色が変わる家」をテキストで紹介する。

【オンエア:2025年6月12日(木)/ナビゲート:サッシャ、ノイハウス萌菜】

温度で色が変化する外壁用ペンキを開発

今回は、ノイハウスが『CNN』の記事を紹介。「もし、自分の家が季節ごとに色を変えるとしたらどうなるのか?」というニュースをピックアップした。

【元記事】「What if your house changed color with the seasons? This ‘climate-responsive’ paint could make it happen」(外部リンク)

「暑い日に黒い服を着ると、熱を吸収するので暑さを感じやすい。なので、夏は白い服を着たほうがよい」という話はよく耳にするが、この理論は住宅にも当てはめることができる。外の壁、または屋根が濃い色だと室内の温度が比較的暖かい・暑くなりがちだが、逆に白いと涼しい・寒い傾向にある。

一方で、季節ごとに塗料を塗り直すのは、コストや工程において大きな負担となる。そこで、今回開発されたのが、「気温によって色が自動的に変わる外壁用ペンキ」だという。

サッシャ:まるでカメレオンのようなペンキですね。

ノイハウス:そうなんです。ペンキはちょうどよい温度で変わるそうで、25度以下のときには色が濃くなり、室内が若干暖かくなります。逆に、25度を超えてくると色が段々明るくなって、薄いグレーから白色に向かっていくそうです。

塗料を開発したジョー・ドゥセットさんは、1年にわたって小さなミニチュアの家を作り、実験を重ねたという。濃い色のペンキの家と薄い色のペンキの家、それぞれの室温を計測したところ、夏は最大で6度涼しく、冬には最大4度暖かくなることが判明した。

ノイハウス:この実験では、冷暖房の使用量が年間で20〜30パーセント軽減できる可能性があると言われました。

サッシャ:すごい!

解決すべき課題は耐久性とコスト

光熱費の節約に役立つ画期的なペンキだが、課題もある。そのひとつが耐久性だ。

ノイハウス:塗料のベースには一般的なペンキを使っているんですが、温度で色が変わる「サーモクロミック顔料」を追加しているんですね。ただ、これが剥がれやすかったり、効果が落ちてしまったりしたため、さまざまな調整を行ったようです。

また、ジョー・ドゥセットさんは開発した塗料を自宅に使用しているそうだが、コストがかかる点がネックになっているという。現在は、一般的なペンキの3〜5倍の価格になる。今後は塗料メーカーと契約を結んで、5〜10年以内にはより広く使われるようにし、コストダウンを目指す。

ノイハウス:以前、番組では「インドは夏がすごく暑くなるので、屋根を白色に塗ることで家のなかの暑さを軽減できる」という内容を紹介したんです。おもに暑い国、おもに寒い国は普通のペンキで対策すればいいと思うのですが、気候変動の影響で夏と冬の温度差が激しくなっている場所は増えていますよね。あとは、四季がはっきりしている温帯地域には、色が変化するペンキが活用できたらすごく便利だなと思いました。

サッシャ:世界的な省エネにもつながりますよね。

ノイハウス:都市にはヒートアイランド現象もありますし、あとは空調器具が発達していない地域でこういったペンキが使われたらいいなと思いました。

サッシャ:ペンキが安くなっていくといいですよね。

J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜〜木曜の12時5分ごろから。

番組情報

STEP ONE


月・火・水・木曜
9:00-13:00




サッシャ、ノイハウス萌菜



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