短編映画『サラバ、さらんへ、サラバ』9月26日より単独公開決定(C)テレビマンユニオン 茨城の田舎町に住む女子高生カップルの日常と別れを描いた短編映画『サラバ、さらんへ、サラバ』が9月26日より異例の単独上映という形で劇場公開されることが決定した(配給:イハフィルムズ)。新宿バルト9、横浜ブルク13、T・ジョイ梅田、T・ジョイ博多ほかで上映が決まっており、特別興行を除き鑑賞料金は1000円を予定している。
【動画】短編映画『サラバ、さらんへ、サラバ』予告編 主演を務めるのは、ドラマ『御上先生』や主演映画 『消滅世界』の公開も控えるなど話題作への出演が続く蒔田彩珠。共演は、ドラマ『顔に泥を塗る』や映画『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』などに出演した碧木愛莉。
茨城の田舎町に住む16歳の女子高生カップル、仁美(蒔田)と菜穂(碧木)。アイドルになることを夢見る菜穂を、仁美は献身的に支えていた。ある日、菜穂から「K-POPアイドルになるため韓国に行く」と告げられ、2人に突然の別れが訪れる。
テレビマンユニオンが製作、近年は主に脚本家として活動している洪先恵(ホン・ソネ)が自らの体験に基づく脚本で監督デビューを果たした。「第20回大阪アジアン映画祭」インディ・フォーラム部門、「第39回BFIフレア:ロンドンLGBTIQ+映画祭」Daydreamer部門ほか各国の映画祭でも上映され、韓国の「第13回ディアスポラ映画祭」では観客賞を受賞するなど高く評価を受けてきた。
今回の劇場公開決定に伴い、公開されたポスタービジュアルは、loneliness booksのオーナーでもある潟見陽がデザインを担当。” ちゃんと見 といて。まだ私といる景色を。“という印象的なコピーとともに緑を基調とした爽やかな雰囲気に仕上がっている。
また、今回の発表に合わせて蒔田彩珠、碧木愛莉、洪先恵、さらに大阪アジアン映画祭のプログラミング・ディレクターでもある映画評論家の暉峻創三よりコメントが届いている。
■蒔田彩珠のコメント
『サラバ、さらんへ、サラバ』は、ありがたいことに、さまざまな映画祭などで上映されていますが、撮影当時は日本での劇場公開が決まっていませんでした。そのため、撮影から2年が経った今、日本でも上映されることになりとてもうれしいです。撮影期間は2週間ほどであっという間だったのですが、スタッフキャスト全員で試行錯誤しながら臨むことができた楽しい撮影でした。より多くの人に観ていただけると嬉しいです。
■碧木愛莉のコメント
外山菜穂を演じました、碧木愛莉です。LGBTQ作品が増える中で、自分の留学経験を初めて活かせた作品で、心からやり甲斐を感じました。せりふよりもト書きの多い台本で、言葉にしきれない2人の空気感がより仁美と菜穂の関係性をグッと高められたと感じています。
オーディションを経て、相手役が蒔田彩珠さんと聞いたときは本当に驚きましたが、初日から安心感を与えてくださる方で、明るい現場で本当に楽しくお芝居をすることができました。未来を変える力は、自分の中にある。そう信じられるようになった作品です。劇場でお届けできること、心からうれしく思います。たくさんの方に観ていただけたらうれしいです。
■監督:洪先恵のコメント
いつの間にか終わってしまった初恋を思って作った映画です。同性の相手に長い間片思いして、やっと両思いだと分かった途端、ケンカも、話し合いもできないまま、親同士の話し合いだけで無かったことにされてしまった記憶。その記憶は29歳の今になっても、解決できないモヤモヤとしてまだ私の中に残っています。だからこそ、本気で別れに向き合う女の子たちを描きたいと思いました。ダサくても、汚くても、二人にとっては真剣な、自分たちで決めた別れです。映画を観てくれる皆さんも、自分の真剣だった恋を思い出してほしいと思います。
■大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター:暉峻創三のコメント
タイトルが示唆しているように、これは別れについての映画だ。それにしても何という別れ方だろう。映画史が繰り返し飽くことなく描いてきた別れの場面。その中でもこれだけは絶対に、永遠に、誰もが忘れられないだろう別れ方だ。愛することの喜び、切実さ、悔しさ、惨めさ。そして相手への感謝、相手の将来の幸せを祈る気持ち。それらすべてがないまぜになったものが、徹底した肉体のアクションを通じて鮮烈に表現されている。
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