北九州記念2025に出走予定のカリボール(今年6月撮影、ユーザー提供:グチマサさん) 菊花賞出走馬として、グレード制導入後では3頭目の珍偉業なるか。パラダイスSを制したカリボール(牡9、栗東・西村真幸厩舎)が、北九州記念(3歳上・GIII・芝1200m)で重賞初制覇を目指す。
当然ながら、芝3000mの菊花賞に出走した馬は、その後も中長距離路線を歩むことが多い。菊花賞馬が天皇賞(春)や有馬記念で好成績を挙げていることは、競馬ファンに広く知られるところだ。対照的に短距離で活躍した馬は少ない。84年のグレード制導入以降の菊花賞出走馬に限ると、後に1400mのJRA重賞を制した馬はホクセイシプレー、サダムパテック、サトノアラジンの3頭。同じく1200mとなるとキングヘイローとアドマイヤマックスの2頭しかいないのだ。
今週末の北九州記念では、19年の菊花賞で最下位18着だったカリボールが、スプリント重賞制覇に挑む。浮き沈みの激しい競走馬生活だが、24年の福島テレビオープンでオープン初勝利。その後はスランプに陥ったが、前走のパラダイスSを14頭立ての最低人気で制し、復活を果たしている。
今回は24年のセントウルSで最下位の18着に敗れて以来、6回目の重賞チャレンジとなる。重賞での過去最高着順は22年のCBC賞の9着だが、古豪が再び奮起するか。00年高松宮記念のキングヘイロー、05年の高松宮記念のアドマイヤマックスに続く、20年ぶりの珍偉業が見られることを楽しみにしたい。
【菊花賞出走馬によるJRAの1400m以下の重賞制覇】84年のグレード制導入以降
・ホクセイシプレー…91年菊花賞14着→92年阪急杯(芝1400m)
・キングヘイロー…98年菊花賞5着→00年高松宮記念(芝1200m)
・アドマイヤマックス…02年菊花賞11着→05年高松宮記念(芝1200m)
・サダムパテック…11年菊花賞5着→12年京王杯SC(芝1400m)
・サトノアラジン…14年菊花賞6着→16年京王杯SC(芝1400m)、スワンS(芝1400m)