政治の岐路、民意の行方は【25参院選】

6

2025年07月03日 15:01  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

日本記者クラブ主催の党首討論会に臨む各党党首=2日、東京都千代田区(代表撮影)
 少数与党の石破政権で初めての参院選が公示された。昨年の衆院選から約9カ月。国会審議は当初切望された「熟議」には程遠く、責任を分かち合うべき野党は財源論を脇に置いて自己主張に終始した。与党も予算や法律を通すため「丸のみ」を連発。参院選では、国の将来を見据えた中長期的な視点での論戦を期待したい。

 もっとも、各党の公約は大衆迎合的なメニューが並ぶ。焦点の物価高対策として与党は現金給付を掲げ、野党は消費税減税を打ち出した。政策効果が不確かで財源根拠が薄い「バラマキ」であることに変わりなく、人気取りのそしりは免れまい。

 昨年の衆院選で民意は与党を過半数割れに追い込む一方、立憲民主党には政権を狙えるだけの議席を与えず、野党勢力を分散させることで結束をままならなくさせた。ある意味絶妙な民意とも言えるが、「多数派なき国会」は与野党から責任ある政治への意識を後退させた。

 政治家が痛みを語らなくなって久しい。少子高齢化と人口減少が進む中、持続可能な社会保障制度の構築が必要なのは言うまでもない。にもかかわらず、財源確保のため、安易な国債増発に走る政治家が与野党で大手を振っている。

 民主主義国の間では「自国ファースト」の主張が広がりをみせる。日本も例外ではない。既成政治への不満がSNS上で真偽不明の情報とともに拡散される状況は民主主義の危機と言える。

 くしくも、長く政権を担ってきた自民党が11月に結党70年を迎える。「政治とカネ」などの問題に区切りを付けられず政権維持だけが目的なら、もはや耐用年数を超えたと言わざるを得ない。

 有権者が新たな政治のありようを求めているのは確かで、参院選はその分岐点となるかもしれない。次なる民意はどんな景色をもたらすのか。目を凝らして各党、各候補の訴えを吟味したい。(時事通信政治部長・佐々木慎)。 

このニュースに関するつぶやき

  • 日本国内の【外国人問題】は、ほぼ放置と言えるexclamation   もう、自民党、公明党を、支持出来ないという人は多いだろう。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(4件)

前日のランキングへ

ニュース設定