
もう着なくなった古着(洋服)を回収し、専用の回収袋に入れて寄付すると、ラオス政府保健省を通じて子供たちにポリオワクチンを届けることができる取り組み「古着deワクチン」が、大阪市城東区にあるこども食堂「関目こどもカレー食堂」と家庭紙卸商社のアスト株式会社(以下、アスト)の協力で実施された。
こども食堂と企業が協働した経緯や活動の意義について、アストの営業本部管理部部長・沼田美幸さんと同マーケティング部主任の要芳(かなめ・かおる)さんに聞いた。
地域活性化とSDGsを学びながら老若男女が交流できる場に
「古着deワクチンとは、日本リユースシステム株式会社が古着を集め、ラオス政府保健省を通じてラオスの子供たちにポリオワクチンを寄付する仕組みです。私どもは大阪に本社を置く企業として、市民とのつながりや社会貢献を目的として参加しています」
6月27日、城東区関目で月に一度実施されている「関目こどもカレー食堂」に古着の回収ボックスが設けられた。関目こどもカレー食堂を利用する地域の子供たちが古着を家から持ち寄ったほか、たまたま通りかかって「古着を回収してるんやね」と気づいていったん帰宅してからわざわざ古着を持ってきてくれた人もいたという。
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アストは「古着deワクチン」に参加し、今年の春頃から社内で古着を回収する取り組みを進めていた。今回、関目こどもカレー食堂と連携したのは、アストがこども支援活動で関目こどもカレー食堂へボランティアに行った際、運営者から「貧しい子供だけでなく老若男女、地域の人が気軽に集まって交流できる場にしたい」という悩みを打ち明けられたことがきっかけだった。
関目こどもカレー食堂運営者の田中和子さんは、貧しい人が行く場所というこども食堂のマイナスイメージを打破したいという。
「子どもだけでなく、お年寄りを含めた様々な世代の人々が交流するほっとできる場所を目指しています。学びの場や学校以外の居場所を提供したい」
家庭から出る古着のうち再資源化されるのはわずか5%
環境省が公開しているデータによると、可燃・不燃ごみとして出される古着は年間47万トンにも達し、そのうち再資源化されるのは2万5,000トンと、全体のわずか5%にすぎない。(出典:環境省)
「現在、大阪事務所では2週間で大袋2袋程度の古着が集まっています。今後は毎月どこかで回収イベントを開催し、スーパーや学校、駅など様々な場所で展開していきたい」と要さん。
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プロジェクトの流れとしては、まず日本リユースシステムから専用回収キットを購入する。その収益でラオスの子供たちへポリオワクチンが寄付される。レギュラーサイズの回収キットで5人分、大袋で20人分のワクチンに相当するという。
集められた古着は、カンボジアにある日本リユースシステムの直営店で販売される。そこでは、ポリオの障がいがある人やかつてストリートチルドレンだった若者が働いており、古着1枚の販売がさらに1人分のワクチンにつながる仕組みになっている。
尚、専用回収キットは福祉事業所でつくられており、障がい者の雇用創出にもつながっているそうだ。
次回は未定だが、もし協力できる場合は以下の条件があることに留意してほしいとのことだった。
【回収できるもの】衣類全般、ベビー&マタニティウェア、靴、鞄、服飾・アクセサリー、毛布、未使用のタオル
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【回収できないもの】汚れや破損がひどいもの、和服・着物、下着類、パジャマ、服飾以外(食品・ぬいぐるみ・傘など)
今後の古着回収イベントについては、開催場所や頻度も含めて検討していく。
(まいどなニュース特約・平藤 清刀)