正社員として働きたいと考えながらも、アルバイトという働き方を続けている――そんな「フリーター」の実態が、改めて浮き彫りになってきた。
マイナビの調査によると、正社員を希望しつつもアルバイトで働く理由として、「正社員になりたくてもなれない」「正社員の仕事に対する自信がない」といった声が多数を占めた。また、経済的なゆとりについて聞くと、若年層・中年層ともにおよそ8割が「ゆとりがない」と回答しており、フリーターを取り巻く厳しい現実がうかがえる。
なお、男性は既卒、女性は既卒かつ未婚のアルバイト就業者を「フリーター」と定義し、15〜34歳を「若年フリーター」、35〜44歳を「中年フリーター」として調査した。
若年フリーターを対象に、もともと希望していた働き方を聞くと「フルタイム正社員」(35.7%)が最も多く、次いで「アルバイト・パート」(26.0%)だった。一方、中年フリーターは「アルバイト・パート」(31.8%)が最多で、「フルタイム正社員」(28.1%)と続いた。
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正社員を希望しながらも、アルバイトで働く理由について、若年・中年フリーターともに「正社員になりたくてもなれないから」「正社員の仕事に対する自信がないから」が上位を占めた。
マイナビは「スキル不足や雇用のミスマッチが影響している可能性があり、正社員になる機会や本人の自己効力感の不足も課題となっていることが考えられる」と分析する。
今後、希望する働き方を聞くと、若年フリーターでは、「フルタイム正社員」(31.0%)が最多で、「アルバイト・パート」(25.0%)が続いた。中年フリーターでは、「アルバイト・パート」(36.0%)が最も多く、「フルタイム正社員」(22.3%)を上回った。
「正社員」で働くことを希望する理由は、若年・中年フリーターともに「雇用が安定しているから」「固定給がほしいから」が上位となり、いずれも5割を超えた。
●「リスキリングに取り組んでいる」は約2割
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経済的ゆとり(収入や貯蓄・資産の余裕)の状況を尋ねると、「ゆとりがない」と答えたのは、若年フリーターで78.3%、中年フリーターで81.2%にのぼった。
リスキリングに取り組んでいる人の割合を見ると、若年フリーターで20.9%、中年フリーターで16.7%にとどまった。わずかだが若年フリーターのほうがスキル習得を行っている傾向がみられた。
取り組む理由として、若年フリーターは「自己成長のため」(24.2%)、中年フリーターは「収入を増やしたいから」(31.1%)がトップだった。
一方、取り組んでいない理由は、いずれも「負担する費用が重いから」が最も多く、費用面がネックとなっていることが分かった。
調査は、アルバイト・パートとして働く15〜44歳(男性は既卒、女性は既卒かつ未婚の就業者)の2419人を対象に実施した。期間は、2月17〜25日。
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