
総務省が実施した労働力調査によると、2024年の「共働き世帯」は1,300万世帯に達しており、今後も増加する傾向にあるとされています。こうした中、既婚で共働きの20〜50代の正社員を対象に意識調査を行ったところ、家計が苦しいと感じている人は46.0%にのぼり、4人に1人がお小遣い制を導入していることがわかりました。
この調査は、キャリア情報の提供や人材派遣事業を手がける株式会社マイナビが2024年11月15~11月18日に実施したもので、正社員である既婚者(20〜59歳の男女)のうち配偶者が会社役員(経営者)、公務員、正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトのいずれかである人を対象に、インターネット上で3000件の有効回答を得ました。
配偶者の雇用形態の組み合わせに関する調査では、「正社員と正社員」の組み合わせの夫婦は全体の85.8%と、「正社員とそれ以外(14.2%)」を大幅に上回る結果となりました。子の有無別では、子どもがいない夫婦のほうが正社員同士の組み合わせの割合が高い傾向がうかがえます。
共働き正社員全体の平均世帯年収は806.4万円、理想の世帯年収は1126.3万円、理想とのギャップは319.9万円という結果になりました。子の有無別では、子どもを持つ夫婦のほうが平均世帯年収・理想の平均世帯年収ともに高い傾向がみられました。
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また、家計が苦しいと感じた回答者の割合は46.0%でした。「家計が苦しいと思う」と回答した人の平均世帯年収は716.7万円で、「家計が苦しいと思わない」と回答した人の平均世帯年収より170.4万円低いことがわかります。
お小遣い制度を取り入れている割合は全体の28.8%という結果に。特に50代では31.2%と、年代が高いほどお小遣い制度の割合も高い傾向が明らかになりました。共働き世帯の正社員において奨学金の返済を行っている割合は10.2%となり、中でも20代では28.4%と他の年代に比べて高い様子もうかがえます。
共働き正社員全体の1ヵ月あたりの残業時間は平均15.4時間でした。男女別では男性の平均が18.8時間となり、女性の平均より9.3時間多くなっています。1日あたりの家事時間は平均1.8時間となり、男性の平均は1.4時間、女性の平均は2.5時間と女性の方が家事に費やす時間が多い傾向にあります。
現在の役職については、全体の半数を超える56.1%が「役職についていない」と回答。「役職についていない」と答えた男性は47.8%、女性は71.0%と男女で20%以上の差がみられます。「出世したい」と回答したのは全体の30.2%となり、そのうち男性は33.6%、女性は24.2%でした。
出世を希望する理由については、「できる限り、上を目指したい(30代女性)」や「多少の責任はあるがそこまで重くないちょうど良いポジションだと思った(20代男性)」などの意見があがりました。
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一方で出世を希望しない理由としては、「仕事量や責任が大きくなるだけ(20代男性)」「周りの役職者が仕事を持ち帰っているのを普段から見ていて大変だと感じており、賃金と見合ってないと感じるから(20代女性)」などの回答が。働き方のコストパフォーマンスを重視する声や、マネジメント業務自体を望まないといった価値観がみられます。
【出典】
マイナビ/「共働き世帯の正社員に聞いた」仕事・私生活の意識調査2025年(2024年実績)