東京地裁=東京都千代田区 ロッテホールディングス(HD、東京都新宿区)創業者の長男で元副会長の重光宏之氏が4日、弟の昭夫会長ら役員6人が同社に損害を与えたとして、計約144億円を同社に支払うよう求める株主代表訴訟を東京地裁に起こした。
訴状などによると、昭夫氏は韓国子会社の事業で親族企業に便宜を図ったなどとして韓国で有罪が確定。さらに、子会社が納入業者に対して不当な労務や資金の提供をさせていたとして課徴金納付を命じられたことなどを挙げ、昭夫氏に計約134億円の賠償を求めた。
また、昭夫氏がグループ会社の役員を多数兼務して報酬を過剰に受領しているとして、同氏ら役員6人に計約9億6000万円を支払うよう請求した。
ロッテHDを巡っては、2015年に宏之氏が取締役を解任されて以来、兄弟の対立が続いている。4日に東京都内で開いた記者会見で宏之氏は「(昭夫氏によって)さまざまな法令違反が行われ、それにもかかわらず是正されていない」と主張した。
ロッテHD広報部の話 訴状が届いておらず、コメントは控える。