<陸上:日本選手権>◇4日◇第1日◇東京・国立競技場◇男子100メートル予選
男子100メートルで日本屈指のスプリンターが予選敗退となった。世界選手権2大会連続入賞のサニブラウン・ハキーム(26=東レ)は7組4着。10秒45(向かい風1・5メートル)となり、大会前欠場の場合を除いて初めて準決勝に進めなかった。
状態の不安に逆らえなかった。6月26日の練習で右股関節上部の骨挫傷。全治3週間の負傷を抱えながら「やるしかない」と強行出場した。勝負どころで無理に負荷はかけられず、後半に失速。3着以内での予選通過に届かなかったが、プロ選手として「(悔いは)全然ない。何かしらの姿は見せられたと思う」と応援する人々の顔を浮かべた。
優勝候補の柳田大輝(21=東洋大)は失格に涙した。予選6組でフライング。今季は日本人最高10秒06と好調だったが「何もないです。ピストルが鳴って、頭が真っ白になった」と走ることすら許されなかった。
自国開催の世界選手権へ、ともに今大会での内定は持ち越しとなった。参加標準記録(10秒00)を突破するサニブラウンは世界ランキングで日本人トップ、柳田は2番手。決定は8月下旬以降となり、サニブラウンは「1日1日、無駄にしないように頑張る」。柳田も「気持ちを切り替えるのはしんどいけど、完全に終わったわけじゃない」と自らに言い聞かせ、夏の吉報を信じて待つ。【松本航】
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