上司が訪問先を見て「この会社はダメだな」→理由を聞いて「うちの会社のことでは…」と気付いた男性の回想

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2025年07月07日 06:10  キャリコネニュース

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訪問先を指して「この会社の社長は驕り高ぶっている」と批判する上司だったが、それは自社のパワハラ社長を案に批判する言葉だった。営業として働く小野さん(仮名、50代男性)がまだ新人だった25年前のことだ。上司と一緒に、ある大企業を訪れた。

「上司は訪問先を一瞥するなり、『この会社は駄目だな』と言い放ちました。その理由を聞いて、『それ、うちの会社のことでは……』と、心の中でツッコミを入れましたね」

上司は当時50代前半。営業職として非常に優秀で尊敬できる一面はあったものの、普段から自身の武勇伝をひけらかすため、下の世代からは嫌われていたという。一体、上司は何を見て「ダメだ」と判断したのか。編集部では小野さんに詳しく話を聞いた。(文:篠原みつき)

「一番便利な場所はお客様の為にあるべきだ」

当時、小野さんは上司と共に、商品の制作を依頼するため様々な企業を訪問していた。発言があったのは、ある大企業の来客用駐車場に車を止め、2人で正面玄関に向かって歩いていたときだ。

「玄関の一番近くに屋根付きの『役員用駐車場』と明示されたスペースがありました。それを見た上司が、吐き捨てるように『この会社は駄目だな』と言ったのです」

小野さんが理由を尋ねると、上司はこう続けた。

「玄関に一番近い所に社長の車の駐車スペースがあるだろう。一番便利な場所はお客様の為にあるべきだ。この会社の社長が驕り高ぶっていて、周りにはそれを提言出来ないイエスマンしかいない証拠だ」

この持論を聞いた小野さんは、すぐに「それ、うちの事やん……」と思ったという。何を隠そう、自社も「玄関の一番いい場所に社長の駐車スペース」があったからだ。

「上司は普段から社長への愚痴をこぼしていたので、私は『あ、これは他社に言ってるふりしてうちの社長を批判してるんだな』と察しました」

小野さんは心の中だけでなく、実際にこう返事をしたという。

「『何処かの会社と一緒ですね』とは申し上げました。返事はありませんでしたが」

沈黙は肯定と捉えていいだろう。こんな具合で、上司はとにかく文句ばかり言う人だった。

「死ね」と公言、監視カメラで見張る社長

しかし、上司が愚痴ばかり言うのも仕方ない部分があった。小野さんが「超絶パワハラ」と語る社長の存在だ。

「全社員の前で特定の社員に名指しで『死ね』と言ったり、社内の監視カメラで社員を見張っている事を公言するような社長でしたから」

仕事自体は好きだったという小野さん。社長にはウンザリしながらも勤め続けたが、ついに最近退職した。驚くことに社長は、小野さんが在職中、数十年にわたってずっとパワハラをしていたという。

「歳も歳なので求職活動には苦労しておりますが、あのままあの会社にいたら、メンタルが崩壊していたと思います」

ちなみに、自社の社長専用スペースについて他の社員たちはどう思っていたのか。

「話題にはなっていましたが、なにしろ超絶パワハラ社長だったので、『むしろ来たらすぐ分かるからありがたい』という評価でした」

なんとも皮肉な話だが、本当にやっかいなのは上司ではなくワンマン社長のほうだった。小野さんが察した通り、上司の言葉は社員をまったく尊重しないトップへの愚痴であり、痛烈な批判でもあったようだ。

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