2025年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に臨む児童たち=4月17日、東京都内の小学校 文部科学省は14日、小学6年と中学3年を対象に実施した今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果のうち、正答率の全国平均を公表した。国語と算数・数学は小中いずれも昨年度を下回った。
理科は3年ぶりに実施され、小6は57.3%で前回(2022年度)の63.4%より下落した。中3理科は今回からコンピューター使用型(CBT)に移行。正答率ではなく、問題の難易度を考慮して統計的に算出した平均スコアが公表され、初年度の結果は505だった。
国語と算数・数学の平均正答率は、小6が国語67.0%(昨年度67.8%)、算数58.2%(同63.6%)。中3は国語54.6%(同58.4%)、数学48.8%(同53.0%)。中3国語は、現在の出題方式となった19年度以降最低で、自分の考えを文章で表現する記述式の正答率が低かった。
小中とも、国語に比べ算数・数学の方が得意・不得意の個人差があることがうかがえたという。
文科省の担当者は「出題の難易度が毎年異なるため、過去の正答率との単純比較で学力の変化をみるのは適当ではない」と説明。ただ、27年度には全科目がCBTに移行する予定で、それ以降は平均スコアによる経年比較が可能になるとしている。
4月に実施された全国学力テストには国公私立約2万8000校の児童と生徒約190万人が参加。全国のデータに基づく分析結果は今月末に、都道府県や指定都市別の結果は8月以降に公表される。