都築響一の名作「着倒れ方丈記」がハードカバーで新装復刊　スペインの出版社が刊行

　日本人編集者で写真家の都築響一による名作写真集「着倒れ方丈記 HAPPY VICTIMS」が、スペインの出版社APARTAMENTOによって復刊された。価格は1万3750円。twelvebooksなどで取り扱っている。新装復刊を記念し、銀座 蔦屋書店ではフェアを開催。期間中の7月27日には都築を招いたトークイベントが行われる。

　「着倒れ方丈記 HAPPY VICTIMS」は、1999年4月から2006年8月まで「流行通信」誌で計87回、7年にわたって掲載された連載をまとめた形として2008年に刊行。食費を削ってでも収集したいというデザイナーやブランドの膨大な服に覆われた部屋と、その住人“ハッピー・ヴィクティム（幸せな犠牲者）”100人余りを取材し、写真のほか「着倒れた人」たちの断片を綴ったテキストが評判を呼び、カルト的な人気を集めた。
　今回の復刊では、オリジナル版のソフトカバーから装いを新たにハードカバーによる製本で復刻。掲載されるすべての画像も、今回新たに著者自身で調整が施された「リマスター版」と位置付けられている。都築によるオリジナルの序文に加えて、復刊にあたっての新たな序文を執筆。またニューヨークとロンドンに店を構えるファッション・ブックショップとして名高い「Climax」の創設者であるイザベラ・バーレイ（Isabella Burley）による解説も収録されている。全編英語表記。
　7月11日から開催されているフェアでは、APARTAMENTOがこれまで刊行してきたインテリア、やアート、建築、デザイン、食など多様なジャンルの書籍とグッズを紹介。7月27日のトークイベントは都築とキュレーターで東京都現代美術館学芸員の藪前知子が登壇する予定だ。