
※写真はイメージです
◆思い出すたびに笑顔になってしまう、太陽のような存在
――“ミスタープロ野球”の愛称で親しまれ、6月3日に亡くなった野球界のスーパースター、長嶋茂雄さん。選手、監督、そして晩年にいたるまで、人生をすべて野球に捧げてきた長嶋さんの功績を振り返っています。2回目となる今回のテーマは、「長嶋茂雄さんが、国民に与えた影響」です。
小林:長嶋茂雄という選手がなぜそんなに魅力的だったかというと、やはり枠にはまらない・枠から飛び出しているということなのかなと思います。日本はずっと「型通り、お行儀よくやることが美徳」だというような教えられ方をしてきました。それがだんだん欧米的な自由というものを感じ始めたものの、日本人にとっては自由が何だかまだ分からないというときに、野球人・長嶋茂雄さんがグラウンドの上で見せてくれるプレー、それが自由そのものでした。
いろいろな方と長嶋さん追悼の話をしているなかで、長嶋さんについての本をたくさん書かれているスポーツ文化評論家・玉木正之さんと、こんな話をしました。
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僕は「それはすごい! なるほどな」と思いました。ストライクのボールを打つのは誰でもできるけれど、とんでもないボールを打つのは技術が必要なんだと。それは日本人の発想にないですよね。ボールの球は見逃すのが基本だと思われているのに、これはまさに長嶋さんのプレーを象徴していますし、本当に常識にとらわれない野球選手でした。
ユージ:次々と常識を覆していく長嶋さんを見て、「これまでの型にはまることなく、自分の信じた道を進んでも良いんだよ」というメッセージを、その姿から受け取った人も多かったと思います。
小林:長嶋さんは野球場の外でも輝いていて、“みんなの太陽”と言われていました。僕は1対1で取材したこともありますが、考えてみると目の前の人を喜ばせる天才でもありました。
僕がちょっと自慢気に他の人に話すと、パーソナルに付き合いがあった方が「いやいやいや、俺なんてもっと」と言って必ず、「僕に負けるか!」とばかりに「長嶋さんにこう言われた」とか「俺が長嶋さんとあのときは一緒に戦ってたんだ」とか、周りの人たち一人ひとりを、“1対大勢”ではなくて“1対1”で魅了してしまう。そして、みんなが「長嶋さんのためなら」と思って頑張る、そういうところもすごかったなと思います。
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また、すごいのは、(普通は)追悼の話をしていて、こんなに笑顔になるということもあまりないですよね? きっとこれからも、みんなが長嶋さんを思い出すたびに笑顔になってしまう。これからも、思い出すたびに笑顔にさせてくれる存在であり続ける気がします。
ユージ:今でも「みんなの太陽」であり続ける長嶋さん。そのマインドは、これからも受け継がれていくと思います。長嶋茂雄さんは、多くの方に希望と感動を与え続けてきました。僕も野球をやっていましたが、現役時代の長嶋さんを知らない僕ですら、長嶋さんの名言など、いろいろ語れることがあります。現在まで、長嶋さんが愛されているのはいかにすごい方だったんだなと僕は思いました。

吉田明世、ユージ
<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:ユージ・吉田明世
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