参院選の街頭演説を聞く有権者ら=19日午後、東京都大田区 第27回参院選は20日、投開票される。昨年10月に就任した石破茂首相(自民党総裁)の政権運営に有権者の審判が下される。自民、公明の与党が改選50議席を確保し、非改選と合わせた過半数(125)を維持できるかが最大の焦点。結果は首相の進退や連立の枠組みに影響する可能性がある。与野党の党首は選挙戦最終日の19日、全国で支持を訴えた。
首相は仙台、徳島両市を回り、東京のJR蒲田駅前で最後のマイクを握った。物価高対策として各野党が掲げた消費税減税について「医療、年金、介護、子育てを支えてきたのは消費税だ。将来に責任を持たない政策は、政策とは言わない」と批判した。
立憲民主党の野田佳彦代表は東京・有楽町で「自公過半数割れは十分可能性が出てきた。『利権・金権ファースト』に負けるわけにはいかない」と強調。「生活、家計を豊かにするのが立民の理念だ」と声を張り上げた。
公明党の斉藤鉄夫代表は埼玉県上尾市で「安心して暮らせる日本をつくるため与党が踏ん張る」と力説。日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は東京・JR新宿駅前で「高過ぎる社会保険料を下げる改革が必要だ」と呼び掛けた。
共産党の田村智子委員長は埼玉県朝霞市で「自公を少数に追い込む。消費税減税を実現する確かな力が共産党だ」と主張。国民民主党の玉木雄一郎代表は横浜市で、国の税収が過去最高を更新したことに触れ「取り過ぎた税収を(減税で)戻す。国民の懐を豊かにする」と語った。
れいわ新選組の山本太郎代表は松山市で「消費税をやめて消費が所得に回る循環を大きくする」と表明。参政党の神谷宗幣代表はさいたま市で「外国人総合政策庁をつくりルールを厳格化しよう」と力を込めた。
社民党の福島瑞穂党首、日本保守党の百田尚樹代表も支援を訴えた。
参院の総定数は248で、今回は改選124(選挙区74、比例代表50)と東京選挙区の欠員補充を合わせた計125議席を争う。選挙区350人、比例172人の計522人(女性152人)が立候補した。補欠選挙を除き、衆参両院選挙の投開票が連休の中日に行われるのは現憲法下で初めて。

参院選の街頭演説を聞く有権者ら=19日、JR仙台駅前