街頭演説を聴く有権者ら=19日午後、東京都大田区 参院選の選挙戦最終日となった19日、各党の党首は街頭で最後の訴えに声をからした。集まった有権者らは、1票を託す先を見極めようと真剣な表情で耳を傾けた。
自民党総裁の石破茂首相は午後7時40分ごろ、東京都大田区のJR蒲田駅前で演説。報道各社の情勢調査で苦戦が伝えられる中、「自分たちさえ良ければいいという政治が行われれば、その国は滅びる。何としてもこの日本を守り抜かないといけない」と大きな手ぶりで懸命に訴えた。
同区の自営業小泉優さん(44)は「首相になる前はどこか自民らしくない異端児のようで期待していたが、今はその雰囲気はない」と冷めた様子で話した。
立憲民主党の野田佳彦代表は、1人区で接戦とされる福島県を「マイク納め」の地に選んだ。「相手は強敵だが、いわゆる裏金議員。やっつけましょう」と呼び掛けた。
投票先を決めずに演説会場を訪れたという福島市の30代会社員男性は、「可処分所得が減っていると感じる。物価高対策で投票先を決めたい」と語った。同市の70代無職女性は、「野党のリーダーとして頑張ってほしい」と期待を寄せた。
「日本人ファースト」をスローガンに勢いを増しているとされる参政党の神谷宗幣代表は、東京都港区の芝公園で最後の訴え。「どんどん国力を失っている。大きなグローバリズムの流れにあらがって、皆が本当に安心して暮らせる世界をつくろう」と訴えると、聴衆から歓声が上がった。
会場には「差別をやめろ」などと書かれたプラカードを掲げる人も集まり、代表の演説中にはブーイングも起きた。外国人政策に注目しているという渋谷区の女性会社員(50)は、「それぞれの文化の違いを理解しつつ、一緒に住むための法整備を進めてほしい」と話した。

参院選の街頭演説を聴く有権者ら=19日午後、東京都港区