タレント朝日奈央(31)が“令和のバラエティー女王”としてブレークする。飾らないキャラクターとさまざまな企画に体当たりで挑む姿で人気をつかみ、5日から東海テレビ・フジテレビ系ドラマ「浅草ラスボスおばあちゃん」(土曜午後11時40分)に出演。女優業へも活動の場を広げている。マルチに活躍できている理由や、仕事への向き合い方を語った。【野見山拓樹】
★アイドリング!!!
バラエティー番組での飛躍は、自身でも想定外だった。朝日はファッション誌「ラブベリー」モデルやアイドルグループ「アイドリング!!!」での活動をへて、現在は数多くのバラエティー番組に出演。“バラエティー女王”の1人として引っ張りだこだが、「タレントさんとしてテレビに出るのは難しいと思っていました」と明かした。
「10年前にアイドリング!!!が解散して、突然職を失って(笑い)、自分がこれから何で目立てるのかがわからなかったし、近くで(同期の)菊地亜美ちゃんがバラエティーで頑張っている姿を見ていて、『ああはなれないな』と思っていました」。さらに「中学生のときにモデルさんになって、そこで終わりだと思っていました」と明かし、「アイドリング!!!も奇跡的にオーディションの話が来て奇跡的にアイドルになれたので、グループの解散が決まった時に8年やってやりきったという思いはありました」と振り返った。
体当たりでがむしゃらに挑む姿が多くの人の目に留まり、バラエティー番組での活躍につながった。「アイドル時代からそうでしたけど、5年後にどうなっているかとか今後どうなりたいかを考えず、目の前のことを必死にやってきました」といい、代名詞でもある鼻と目に10円玉を差し込む「10円玉芸」など、自分にできることや番組を盛り上げられることには泥臭く取り組んだ。裏表なく常に等身大でテレビに出演してきたことが今につながっているといい、「多分、平成のバラエティーに飛び込んでいたら活躍できなかったと思います。きっと、毒舌とかはっきりと物を言うことが求められていたと思いますし、自分の性格と違うキャラクターを演じてテレビに出ないといけなかったと思うので、うまくいかなかったと思います。『自分はこれ!』というものはないけど、今こうして素の状態でテレビを楽しめているのは、この時代にマッチしているからと思っています」と冷静に語った。
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準備力の高さも、テレビに出続けられている要因だ。「10円玉芸」は「多分振られるだろうな、と思う日は毎回ポケットに10円は入れています」と笑い、「私って、ぱっと出て『じゃあしゃべってください』みたいなのが結構苦手なんです。台本があればある程度段取りを確認したいし、そこに対する準備をしっかりして自分のオリジナルを立てたいタイプ。バラエティーでいろんなことに対応できているように見えていたらありがたいですね」。
★未来への準備まだ
それでも、自分を冷静に客観視する。「目の前のことや日々の仕事に対する準備はできるけど、3年後や5年後の自分を想像できない世界なので、未来への準備はできない」と限界も認める。だからこそ「目の前のことに向き合っているところはあります」という。
「これからもテレビに出続けたい! というよりは、今こうして私を見てくれている人や応援してくれている人もそうだし、たまたま私を見てくれた人が笑顔になってくれたり、喜んでくれたりするような活動をしたいと思っています」と理想を描いた。見る人に楽しんでもらうことも大事だが「自分のことを分かった状態で活動することが大事。無理はしない、自分らしくいる、自分が一番楽しく仕事をする、を心がけています」と等身大であることへのこだわりを語った。
女優業へも活躍の幅を広げている。現在放送中のドラマ「浅草ラスボスおばあちゃん」に出演中。「私と同世代の方、そして高齢者の方の心の声も聞けて、はっとさせられる作品です。主人公の松子さん(梅沢富美男)の『ばばあだって初めてばばあをやるんだ』というセリフがあって、年を重ねると心が強くなると思っていたけど実際はそんなことはなくて、ピュアな気持ちや繊細な部分は変わらないんだと学びました」と、メッセージ性の強い作品だと強調した。
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朝日は松子と共同生活を送る動画クリエーター、花村すみれを演じる。「個人主義で一匹おおかみな性格の子。ストレートに物を言っちゃう性格なので、普段の私とは正反対だと思います」と役どころを語り、「私にできるのかな? という心配とか不安もありましたけど、重みを感じすぎないようにしています。お話をいただけて参加させていただけているので、スタッフさんが想像するすみれちゃんを演じていきたいと思います」と意気込んだ。
★30代変わっていく
30代に突入しても、与えられた役割を懸命に果たす姿勢は変わらない。今後の活動について問われると、「一番の理想は現状維持だけど、多分それが一番難しい。30代になって新しい感情にもなって、自分自身も変わっていくと思うので、バラエティーだけに絞らずに。今回のドラマもそうですけど、新たな挑戦は心がけたい」と笑顔で語った。
■嫌いな人いないんじゃないかな
アイドリング!!! 2期生の同期で親友の菊地亜美(34)皆に好かれるなんて簡単なことじゃないけれど、この子のことを嫌いな人はいないんじゃないかな、と思うほど魅力的な存在です。素直で飾らない性格で、インタビューで私の話をしてくれたように思わず、うれしくなるような言葉をかけてくれる優しさもあります。ずっと妹のように感じていたけれど、気づけばすっかりすてきな大人の女性になっていました。今は私も、朝日の活躍を一ファンとして楽しませてもらっています!
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■8・1、1日限り再結成
8月1日、「TOKYO IDOL FESTIVAL」で、アイドリング!!!メンバーによる「これが最後!? 1日限りの再結成ING!!!」を開催する。今年で解散から10年となり、朝日が復活を提案し実現した。「アイドリング!!!の曲は皆さんの懐メロでもあり、私にとっても懐メロ。あの頃の気持ちになって、私も初心に返れると思います」と明かし、「今のキラキラしたアイドルとは違う平成アイドルらしく頑張ります」と意気込んだ。
◆朝日奈央(あさひ・なお)1994年(平6)4月21日生まれ、埼玉県出身。07年にファッション雑誌「ラブベリー」専属モデルになり、08年にアイドルグループ「アイドリング!!!」2期生として加入。15年の解散後はバラエティー番組を中心に活躍し、現在はTBS「ひるおび」(月〜金曜午前10時25分)の水曜日レギュラー、NHK「編成王川島」(水曜午後11時)に出演。21年に「いるまPR大使」就任。身長166センチ。
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