「ジョン・ウィック」シリーズ初の女性主人公“復讐の女神”イヴとは? 独自の“戦い方”にも注目<『バレリーナ』解剖>

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2025年07月23日 14:10  クランクイン!

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映画『バレリーナ:The World of John Wick』場面写真 (R)
 キアヌ・リーヴスによる切れ味鋭いアクションに世界が熱狂し、シリーズを追うごとにスケールと世界興収を更新し続けている「ジョン・ウィック」シリーズ。8月22日より公開となる最新作『バレリーナ:The World of John Wick』では、シリーズの世界観を継承しつつ、まったく新たな主人公を迎えた新たな復讐の物語が始動する。初の女性主人公である“復讐の女神”イヴとはいったい何者か? 今回は、本作を見る上で必ず押さえておきたい、新たな主人公イヴの生い立ち、能力、復讐の動機、そしてジョン・ウィックとの因縁まで、彼女の全貌を一挙にご紹介!

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★主人公イヴを紐解く前に、まずは物語の時系列をチェック!

 本作『バレリーナ』の舞台となるのは、シリーズ第3作『ジョン・ウィック:パラベラム』と第4作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の狭間の時間軸。『パラベラム』の終盤、コンチネンタル・ホテルの支配人ウィンストンの裏切りによって銃弾を浴びたジョンは、瀕死の重傷を負い、地下犯罪組織の王バワリー・キングに助けられることに。その後の『コンセクエンス』でジョンは、バワリーと共に復讐を誓い、主席連合の首長を討つべくカサブランカの砂漠へと向かう。

 本作の舞台は、そんなウィンストンの裏切りから、砂漠へ旅立つまでの期間。ジョンの物語の陰で進行していた、知られざるもうひとつの戦いが明らかになっていく。

 物語の鍵を握るのは、暗殺者養成組織ルスカ・ロマ。『パラベラム』では、主席連合に追われたジョンが助けを求め、この場所を訪れている。表向きは孤児を引き取り、バレエやサンボを教える舞踏団だが、その実態は裏社会最高峰の殺し屋養成機関であり孤児だったジョンを育ててくれた古巣でもある。

 本作で描かれるのは、そのルスカ・ロマでNo.1訓練生として育った殺し屋・イヴの復讐劇。もちろん、『ジョン・ウィック』シリーズおなじみの、殺し屋御用達のコンチネンタル・ホテルや独自通貨のコイン、掟と忠誠を重んじる裏社会の絶対的ルールも健在。スタイリッシュで独特な世界観を引き継ぎつつ、これまで“伝説の殺し屋”ジョン・ウィックの視点で描かれてきた世界観を、訓練生として育った少女の視点から再発見できるのも本作の大きな魅力だ。組織の理不尽や掟に戸惑い、時に反発しながらも、過酷な世界で成長していくイヴを主人公とした、まったく新たな復讐譚が幕を開ける!

★新たなる“復讐の女神”主人公イヴ・マカロを徹底解剖!

 本作でシリーズに新たな風を吹き込む主人公の名は、イヴ・マカロ。彼女は、ルスカ・ロマで幼少期から過酷な訓練を受けて育った殺し屋。だが、やがて自身の家族の過去に隠されたある秘密を知り、静かに燃やし続けてきた復讐の炎をついに解き放つのだ。

 イヴを演じるのは、映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で一躍ハリウッドの注目株となった、アナ・デ・アルマス。可憐なルックスとキレのあるアクションで魅せる彼女が、超人気シリーズ『ジョン・ウィック』の新たな主人公に大抜擢された。本作では、製作総指揮チャド・スタエルスキが率いるスタントスタジオ「87イレブン」での徹底的なトレーニングを経て、小柄な体格を活かした女性ならではのCQC(近接戦闘術)を確立し、バレエ仕込みのまるで舞っているかのようなアクションを華麗に体現している。

 物語は、幼い頃のイヴが目の前で父を失う残酷な光景から幕を開ける。この出来事を機に彼女の人生は一変。ウィンストンの紹介でルスカ・ロマに引き取られ、本格的な暗殺者としての教育を受けて一人前の殺し屋へと成長していく。だが、とある任務の中で父を殺した組織の手がかりを掴んだことをきっかけに、胸に秘めた復讐の炎が激しく燃え上がる。その組織は、ルスカ・ロマと不戦協定を結んでいる謎の暗殺教団。手を出すことは、すなわちルスカ・ロマを裏切ることを意味する。それでもなお、教団への復讐を誓うイヴが、禁忌の一線を越えようとしたその時、彼女の前に裏社会の誰もが恐れるあの伝説の殺し屋──ジョン・ウィックが現れるのだった。

 果たして彼は敵か、それとも味方か? 最強の殺し屋と対峙したその瞬間、物語はさらに加速していく。

★アナ・デ・アルマスのアクションが冴える! 独自の“戦い方”にも注目

 イヴの戦い方は、「ジョン・ウィック」シリーズの中でも特に異彩を放つ。制作チームは、アナ・デ・アルマスの身のこなしと体格を活かし、彼女ならではの新鮮なアクションスタイルを構築。誰も見たことのないアクションを追求した。それは単なる肉弾戦ではなく、スケート靴をヌンチャクのように振り回したり、手りゅう弾や包丁、鍋を使い闘ったり、果ては火炎放射器vs放水ホースの究極矛盾(ほこたて)バトルなど、ありとあらゆる道具を即席の武器に変える創造的な戦闘スタイルだ。

 なかでも印象的なのは、男子訓練生との戦闘で苦戦するイヴに、教官ノギが「女らしく」戦うことを教えるシーン。教官ノギを演じたシャロン・ダンカン=ブルースターが、「強くて、かっこよくて、感情に正直な女性たちが登場する。これまで男性同士で描かれてきた関係性が、女性同士で描かれるのはとても新鮮だった」と熱く語っているように、これまでの「ジョン・ウィック」シリーズとは異なる、“女性ならでは”の感情と身体性が交差するアクションこそが、イヴの戦闘スタイルの要であり、本作の大きな魅力のひとつとなっている。

★見逃し厳禁! 同じ“復讐”の道を歩む者、ジョン・ウィックとの邂逅

 イヴとジョン・ウィックは、ともにルスカ・ロマ出身という共通のルーツを持つ。ジョンとイヴが初めて出会ったのは、イヴがまだ訓練生だった頃のこと。賞金首となり、世界中の殺し屋から狙われている最中のジョン・ウィックが、予期せぬ訪問者として現れ、騒然となるルスカ・ロマで偶然顔を合わせた二人。イヴは、ジョンに向かってこう尋ねる。「あなたと同じことを始めるには?」。すると、ジョンは静かに「君はもう始めている」と答えるのだった。復讐の炎を心に秘めた二人の、この短い邂逅がすべての始まりとなった。そして、再び二人の道が交わるとき。ジョン・ウィックは導き手として、あるいは警鐘として、イヴにとって極めて重要な存在となっていく。

 イヴ・マカロという新たな主人公は、「ジョン・ウィック」シリーズにまったく新しい可能性をもたらした。本作の公開を皮切りに、シリーズはさらに拡張していく。すでに、ドニー・イェン演じる盲目の武人ケインを主人公にしたスピンオフ映画『CAINE』や、シリーズ第5作の製作、若き日のジョン・ウィックを描くアニメシリーズなどの展開が発表されており、さらにはラスベガスにジョン・ウィックの世界をテーマにした没入型アトラクションの導入が予定されている。

 まさに、止まることを知らない「ジョン・ウィック」ワールドの超拡大。その最前線を走る『バレリーナ:The World of John Wick』、そして新たな主人公イヴの、激しくも美しい復讐の舞を、劇場で目撃したい!

 映画『バレリーナ:The World of John Wick』は、8月22日より全国公開。
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