「岩盤保守」自民離れ鮮明=新興勢力台頭、立民後塵―参院選

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2025年07月28日 07:34  時事通信社

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時事通信社

国会議事堂=東京都千代田区
 20日投開票の参院選のうち、党勢を映す比例代表の結果をみると、自民党の得票率は2022年の前回参院選から12.8ポイント減らして21.6%に落ち込み、1983年の比例代表導入以来最低を更新した。安倍長期政権を支えた保守派中心の「岩盤支持層」の自民離れが鮮明になった形だ。立憲民主党も受け皿になれず、新興勢力が台頭した。

 12年に発足した第2次安倍政権下で行われた5回の大型国政選挙で、自民は得票数1700万〜2000万票台、得票率3割台を維持した。安倍晋三元首相の保守的信条に共鳴した保守層が下支えし「絶対に崩れない」(自民中堅)と言われた。

 この傾向は岸田政権下での21年衆院選、22年参院選でも続いた。

 変化が表れたのは石破政権下の昨年10月の衆院選だ。このときの得票数は1458万票。得票率は26.7%に下落し、旧民主党政権の誕生を許した09年衆院選と同水準に低迷した。今回参院選はさらに減らし、1281万票、21.6%だった。

 変調の背景に何があったのか。保守層を糾合してきた安倍氏は22年参院選のさなかに銃撃で死去。23年に性的少数者への理解増進法が成立すると、保守派から自民批判が湧き起こった。保守派が警戒する選択的夫婦別姓導入論議では党内の意見集約に手間取る。

 一方、23年暮れには派閥裏金問題が事件化し、自民は1年半以上経過した今でも批判を引きずる。保守系団体「日本会議」は24日、衆参両院での与党過半数割れは「リベラル化した自民に保守層がノーを突き付けた結果」だとする見解を発表。党幹部の一人は「岩盤支持層が剥がれた」と危機感をあらわにした。

 離反した岩盤支持層はどこへ向かったのか。09年衆院選の結果を分析すると、自民が得票数を05年から708万票、得票率を11.5ポイント減らしたのに対し、旧民主はそれぞれ881万票、11.4ポイント増やした。旧民主が受け皿になったことが分かる。

 しかし、今回、旧民主の流れをくむ立憲民主党の得票率は前回からほぼ横ばい。代わりに「改革中道」を掲げる国民民主党、保守色の強い参政党が躍進した。国民民主は762万票、参政は743万票を獲得してそれぞれ比例野党第1党と第2党となり、立民は740万票で後塵(こうじん)を拝した。

 歯切れのいい主張で支持を集める新興勢力に対し、二大政党の一角と自負してきた立民関係者は「極端な政策は掲げられない」として巻き返しは容易ではないと語る。自民関係者は「多党化の時代に入りつつある」と時代の変化を指摘した。 

このニュースに関するつぶやき

  • いまだに壺だのなんだのいうのがいるけど、アカに騙されるようなのは邪教崇拝者より危険極まりないのだが。
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