村上春樹「人生のロスがかなり減りますものね」“作家になって良かった”とつくづく思うこととは?

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2025年07月29日 05:20  TOKYO FM +

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村上春樹「人生のロスがかなり減りますものね」“作家になって良かった”とつくづく思うこととは?
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00〜19:55)。7月27日(日)の放送は「村上RADIO〜村上の世間話7〜」をオンエア。村上さんが何気ない日常の中で体験したエピソードを、村上DJが選曲したグッドミュージックとともにお届けする好評の「村上の世間話」シリーズ。「小確幸(しょうかっこう)」(=小さくても確かな幸せ)を感じる話などを披露しました。



<クロージング曲>
Joe Pass「Lady Jane」

今日のクロージング音楽は、ジャズ・ギタリストのジョー・パスが演奏する「Lady Jane」。
ローリング・ストーンズのヒット曲ですね。『The Stone Jazz』というというストーンズの曲ばかり集めたアルバムに入っています。ジョー・パスとストーンズ、ミスマッチみたいに思えますが、ボブ・フローレンスのしゃれたアレンジを得て、しっかり楽しめる音楽になっています。

パンケーキがこんがりときれいに焼きあがったときって、ものすごくハッピーな気持ちになれますよね。お皿に盛って食卓に置いて、食べちゃうのが惜しくなるほどです。そういうのってまさに「小確幸(しょうかっこう)」、小さいけど確かな幸せです。そんなことが世界平和の役に僅かでも立つかどうか、まあ、そこまでは僕にもわかりませんが。
ところで、うちには僕のパンケーキとオムレツ専用のフライパンがあって、これは他の用途には使ってはいけないことになっております。



さて、今日の言葉はスコット・フィッツジェラルドさんの、作家であることについての見解です。

「名をなした作家というのは、ロマンチックな職業であるように私には思えた。映画スターほど有名にはなれないが、おそらくもっと長持ちするだろう。政治的、宗教的なリーダーのような権力はふるえないが、気の向くまま自由に生きていける。もちろんどんな仕事であろうと、人の不満の種が尽きることはないだろうが、少なくとも私に関して言えば、作家以外の職業につけばよかったと思ったことは一度もない」

はい、僕もフィッツジェラルドさんとだいたい同意見です。僕が作家になってよかったとつくづく思うのは、まず通勤がないこと、そして会議に出なくていいことです。それだけで人生のロスがかなり減りますものね。

それではまた来月。

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<番組概要>
番組名:村上RADIO 〜村上の世間話7〜
放送日時:7月27日(日)19:00〜19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
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