鈴鹿8耐:大トリのザルコが驚速ラップでHonda HRCがポール獲得/トップ10トライアル

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2025年08月02日 17:10  AUTOSPORT web

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ヨハン・ザルコ(Honda HRC)/2025鈴鹿8耐
 8月2日、三重県の鈴鹿サーキットで『2025 FIM世界耐久選手権(EWC)”コカ・コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会』の上位10グリッドを決めるトップ10トライアルが行われた。ヨハン・ザルコ(Honda HRC)が、2分04秒290でトップタイムを記録し、ポールポジションを獲得した。

 金曜日に行われた予選では、3名のライダーがそれぞれ2回ずつタイムを出し、うち2名が記録したベストタイムの平均で争われた。そして、予選総合順位の上位10チームが土曜日に実施されるトップ10トライアルに進出を決めた。

 このトップ10トライアルは、その名の通り、決勝グリッドトップ10およびポールポジションを賭けて争われるセッションだ。チームごとに2名のライダーのよるタイムアタックを実施。まず公式予選の6番手から10番手のチーム、その後に予選5番手から1番手のチームがひとりずつアタックを行う。

 そして、平均タイムで競う予選と異なり、トップ10トライアルではどちらかの速いラップタイムが採用されるため、純粋なタイムアタック勝負が繰り広げられることとなる。

 予選10番手で進出を決めたTeamATJ with docomo Businessの鈴木光来がアタックを開始。2分07秒575と基準となるタイムをマークする。

 続いてマーカス・ライターベルガー(BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM)がコースインし、2分06秒389で鈴木のタイムを1秒以上も上回り、暫定トップに立つ。阿部恵斗(SDG Team HARC-PRO. Honda)は、セクター1・2でタイムをロスしたか、2分06秒853で暫定2番手につける。

 昨年に続き、唯一ドゥカティマシンで鈴鹿8耐に挑むSDG-DUCATI Team KAGAYAMAのレオン・ハスラムは、S字でふらつきたことでセクター1でタイムを失ったものの、セクター2・3で挽回し、2分06秒323で暫定トップタイムをマークした。予選6番手の野左根航汰(Astemo Pro Honda SI Racing)は、2分06秒713の3番手タイムを記録。

 各チームふたり目のアタックに入り、岩田悟(TeamATJ with docomo Business)は、ベテランの走りでまとめ切り、2分06秒331で暫定2番手に食い込む。

 SBKライダーのマイケル・ファン・デル・マーク(BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM)は、コース後半で速さを発揮し、2分05秒508と2分05秒台を出すも、直後に2分05秒477で上回ったMoto2ライダーの國井勇輝(SDG Team HARC-PRO. Honda)が暫定トップに。

 水野涼(SDG-DUCATI Team KAGAYAMA)は、まだ完全な状態ではないようで2分07秒105にとどまったものの、大怪我から復活を見せるアタックランとなり、グランドスタンドからも拍手が送られた。Moto3ライダーの山中琉聖(Astemo Pro Honda SI Racing)は、シケインで少し奥に行きすぎたことが響き、2分06秒581で暫定5番手に。その結果、公式予選の6番手から10番手のなかではSDG Team HARC-PRO. Hondaが最速となった。

 続く予選5番手から1番手のひとり目のアタックが16時10分からスタートし、カレル・ハニカ(YART - YAMAHA)がコースインする。昨年のトップ10トライアルでのクラッシュを喫したものの、今回は落ち着いた走りで2分06秒132で暫定4番手。渥美心(YOSHIMURA SERT MOTUL)は、次に繋げる走りで2分06秒828と暫定8番手となる。

 YAMAHA RACING TEAMは金曜の予選2回目でジャック・ミラーがマシンが宙を舞うクラッシュを喫したものの、見た目よりもダメージがなかったようで修復されたそのマシンでアタックした。そのミラーはセクター3までで0.9秒マイナスという驚異的なライディングを見せていたものの、シケインふたつ目の17コーナーの出口で転倒。すぐにマシンに戻ったものの、2分16秒236で10番手。低速での転倒ということもあり、幸い大きなダメージはないようだ。

 ロリス・バズ(AutoRace Ube Racing Team)も渥美と同じく、チームメイトの浦本修充にバトンを渡すための走りとなり、2分06秒878で9番手に留まる。ふたり体制ながら予選をトップ通過したHonda HRCの高橋巧は2分05秒223で暫定トップに立つ。

 各チームふたり目のアタックに入り、昨年にポールラップを記録したマービン・フリッツ(YART - YAMAHA)は、2分05秒729で暫定4番手。続くダン・リンフット(YOSHIMURA SERT MOTUL)はセクター4でロスしてしまい、2分06秒247の暫定5番手タイムを記録した。

 アンドレア・ロカテッリ(YAMAHA RACING TEAM)は、先ほど転倒したマシンでコースイン。鈴鹿8耐初参戦とは思えない攻めた走りで2分04秒316で暫定トップタイムをマーク。その走りにミラーもガッツポーズを見せた。

 AutoRace Ube Racing Teamの浦本は、2分05秒001でわずかに2分04秒台に届かなかったものの、暫定2番手に浮上した。

 トップ10トライアルの大トリは、ヨハン・ザルコ(Honda HRC)。セクター1とセクター3を最速で通過してセクター4を残し、21号車との差はマイナス0.150秒。そして、130Rのブレーキング、シケイン、最終コーナーもまとめ上げ、2分04秒290と最速タイムをマーク。

 以上をもってトップ10トライアル計10チーム、20名によるライダーのアタックが全て終了し、Honda HRCがポールポジションが決まった。2番手にYAMAHA RACING TEAM、3番手にAutoRace Ube Racing Teamが続いた。

  計55チーム全てのグリッドが確定した。8月3日 11時30分に8時間の長丁場の決勝レースが幕を開ける。灼熱の2025年の鈴鹿8耐の王冠はどのチームが手にするのか、ぜひ見届けてほしい。

[オートスポーツweb 2025年08月02日]

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