10月にWindows 10のサポートが終了! カウントダウンに向けたMicrosoftの動き

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2025年08月06日 12:11  ITmedia PC USER

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Windows 10のサポート終了を改めて伝えるブログ「Stay secure with Windows 11

 間もなくやってくる、10月14日の「Windows 10 EOS」(End Of Support)に向け、Microsoftはさまざまな関連ドキュメントや“宣伝”を展開しており、来るべきタイミングまでにできるだけ多くのユーザーをWindows 11へと誘導すべく試行錯誤を重ねている。


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 その1つがWindows 11への乗り換えでパフォーマンスがどれだけ向上するのかという話だが、Neowinが過去にMicrosoftが公開したドキュメント群を紹介しているように、一定以上の効果を上げられる点は確かだ。


 しかし、そもそもWindows 10を使い続けているユーザーの多くは「アプリケーションなどの互換性の問題でWindows 10をもうしばらく維持する必要がある」「そもそもWindows 11が動くハードウェアがない」という理由を抱えていると推察されるため、こういったパフォーマンス比較はあまり意味を持たないというのが実情だと考えられる。


 他方で、前回はStatCounterのデータを引用しつつ、日本国内においてWindows 10とWindows 11のシェアが逆転したことを取り上げたが、その翌月に、世界全体のデータでも両者のシェアが逆転したことが判明し、少なくともWindows 11への移行が徐々にではあるが進みつつあることが分かる。


●Windows 10 EOSとMicrosoft 365


 The Vergeでトム・ウォーレン氏が指摘しているが、Windows EOSに伴うMicrosoft 365アプリ群、つまりOffice関連アプリのサポート情報が更新されている。Windows 10におけるMicrosoft 365アプリは、次の期間を過ぎるとFeature Update、つまり最新バージョンを受け取れなくなる。


・August 2026 for Current Channel (including all versions for individuals and families)


・October 13, 2026 for Monthly Enterprise Channel


・January 12, 2027 for Semi-Annual Enterprise Channel


 企業向けを除けば、2026年8月時点でWindows 10は最新機能を含んだMicrosoft 365アプリの最新バージョンを受け取れなくなる。


 主に法人向けのEnterprise Channelについては、少々猶予期間が長いが、最終的にWindows 10に延長サポートを年単位、最大で3年まで提供する「Windows 10 Extended Security Update」(ESU)の提供期間より短くなるため、実質的に「最新バージョンを利用したいならWindows 11」ということになり、あくまでWindows 10でのMicrosoft 365アプリは“オマケ”の延長期間にあると考えていい。


 注意点としては、Microsoft 365アプリが提供されなくなるのは最新バージョンだけで、セキュリティアップデート自体は2028年10月10日まで提供されるので、Windows 10 ESUの最大期限である2028年10月までは一応のセーフガードが用意されることになる。


 サポート対応としては妥当なところなので、この点に関しては特に問題ないと思われるが、もし両者を組み合わせて利用しているユーザーがいたら、その点をあらかじめ意識しておくといいだろう。


●オートアップデートとCopilotモード


 Neowinによれば、Microsoftは6月に他のアップデートに紛れて「KB5001716」をWindows 10/11に配信していたという。


 ドキュメントを読めば分かるが、このアップデートが最初に提供されたのは約1年前で、日本語の解説ページには次のように書かれている。


 簡単にいえば、当該バージョンのサポートが終わった段階で、自動的に最新バージョンへとアップデートする仕組みだ。ターゲットとなっているのが2021〜2023年あたりのWindowsバージョンということからも分かるように、古いバージョンのシステムを半強制的にアップデートするのが狙いで、これまでにもたびたび導入が判明すると「余計なことはするな」的に指摘されてきたものでもある。


 この更新プログラムをインストールすると、現在インストールされている Windowsバージョンのサポートが終了した場合、Windowsはデバイスに機能更新プログラムのダウンロードとインストールを試みる可能性があります。機能更新プログラムは、新しい機能を提供し、デバイスのセキュリティを維持するのに役立ちます。


 この更新プログラムがインストールされた後、Windowsは定期的に通知を表示して、Windows Updateがデバイスを最新の状態に保ち、現在の脅威から保護できなくなる可能性がある問題を通知します。たとえば、現在デバイスがサポート ライフサイクルの終了に達したバージョンの Windowsを実行していること、またはデバイスが現在インストールされているバージョンの Windowsの最小ハードウェア要件を満たしていないことを通知する通知が表示される場合があります。


 Neowinによれば、このドキュメントは同誌が指摘してから間もなく変更が加えられたようで、一部の文章が削除されているという。


 実際、本記事では英語版と日本語版の2つの解説ページへのリンクを掲載しているが、修正が行われているのは英語版のみで、実は日本語版の方は修正が行われておらず、上記の2つの項目のうち、削除された前半部分がそのまま残っている。


 差分を考察すると、本来は半強制アップデート機能の説明が行われていたものが、文章の削除により、通知のみを行う機能のアップデートに変更されていることが分かる。本当のところ、「KB5001716」が実際にどのような機能を現時点で持っているのか不明なのだが、興味深い変更だ。


 今後、10月のWindows 10 EOSに向け、さらにいろいろなドキュメントや情報が出てくると思われるが、おそらくはその多くが「なぜWindows 11に移行すべきか」といった軸を中心に説明が行われるのだろう。


 他方で、Microsoftが新進気鋭の事業者として最近プッシュしている「AI」についてはその限りではないようで、例えば先日Edgeブラウザに追加されたばかりの「Copilot Mode」は、Windows 11とmacOSのみならず、Windows 10のEdge上でも動作し、特にサポート対応などについても触れられていない。


 Copilot+ PCのようにハードウェア依存機能を持つ仕組みの場合はさすがにWindows 11+最新PCが必要となるが、クラウド経由で利用するクラウドサービスの場合はその限りではないようだ。この点は興味深い。



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