「Amazfit Balance 2」は普段使いならコレ、といえるスマートウォッチだった

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2025年08月11日 12:10  ITmedia PC USER

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スマートウォッチの新モデル「Amazfit Balance 2」

 Zepp Healthは6月24日、Amazfitブランドの最新スマートウォッチ「Amazfit Balance 2」(アマズフィット バランス ツー)、「Amazfit Active 2 Square」(アマズフィット アクティブ ツー スクエア)、およびアスリート向けスマートバンド「Amazfit Helio Strap」(アマズフィット ヘリオ ストラップ)の国内販売を開始した。価格はそれぞれ4万3890円、2万3900円、1万5900円となる。


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 Amazfit Balance 2は、2023年10月に発売された「Amazfit Balance」の約2年ぶりの後継モデルだ。


 Amazfitブランドには、アウトドア向けの「T-REX」シリーズや、よりカジュアルな「Bip」シリーズもあるが、普段使いのスマートウォッチとしては、Amazfit Balance 2がフラッグシップモデルという位置付けになる。


 今回は、そのAmazfit Balance 2のレビューをお届けしよう。


●アウトドアの雰囲気を備えた「Amazfit Balance 2」


 まず外観からチェックしていこう。Amazfit Balance 2は、GTRやGTSシリーズから続くクラシカルな円形デザインを踏襲する。全体的にはAmazfit Balanceに似ているが、ややT-REXシリーズのようなマッシブな印象になっている。


 フレームはアルミニウム合金で、ボトムケースは強化樹脂製だ。本体は約47.4(直径)×12.3(厚さ)mmと前モデルよりも一回り大きくなっている。重量も約35gから約43g(いずれもバンドを除く)と重くなっているが、これは、バッテリー容量が増量されたことも関係しているのだろう。


 また、防水性能が5気圧防水から10気圧防水にアップしたのに加え、45mまでのフリーダイビングにも対応した。MIL規格(MIL-STD-810G)の6項目の試験(低気圧試験/高温試験/低温試験/温度衝撃試験/振動試験/衝撃試験)もクリアしており、見た目同様に、アウトドア向けのT-REXシリーズに迫るタフネス性能も備えている。


 ディスプレイは1.5型のHD AMOLEDD(有機EL)で解像度は480×480ピクセルとサイズは前モデルと同じだが、カバーガラスにはサファイアガラスが採用されている。


 ボタンは右側面に2つ搭載する。上ボタンはシングルクリックで運動メニューの表示、長押しで音声アシスタント「Zepp Flow」の起動だ。下ボタンはシングルクリックでアプリ一覧、長押しで電源オフや再起動のメニューが表示される。また、ほとんどの画面では上ボタンで「決定」、下ボタンが「戻る」操作に割り当てられている。


 ただ、多くのスマートウォッチは、上ボタンがアプリ一覧、下ボタンでカスタムメニューとなっている印象がある。操作的にも上ボタンで「ホームの表示」、下ボタンで「決定」というのが一般的だろう。


 このため、最初は操作に戸惑ってしまったが、実はデフォルトで有効になっている「ボタンモード」をオフにすると、この一般的な操作に変更できる。また、ボタンモードが有効の場合(デフォルトの場合)、下ボタンで表示する機能を変更できないのだが、ボタンモードをオフにすると設定から変更が可能になる。


 「ボタンモード」が有効になっているのは、初期ファームウェアの不具合かとも思ったのだが、ユーザーガイドを見るとボタンモード有効が想定された操作のようだ。なぜこの操作にしたのかは分からないが、他のスマートウォッチに慣れている人ほど戸惑うと思うので注意してほしい。なお、ボタンモードは「設定」→「アクセシビリティ」→「ボタンモード」でオン/オフが可能だ。


 背面には、BioTracker PPGバイオセンサー(5PD+2LED)を備えている。心拍数、睡眠の質、血中酸素レベル、ストレスをリアルタイムかつ高精度に測定できるとしている。ベルトはバネ棒で簡単に交換可能だ。


 なお、製品にはブラックとラバ(赤)の2種類のシリコンベルトが付属する。


●バッテリーの持続時間は?


 バッテリー容量がAmazfit Balanceの475mAhから658mAhに増量されたこともあり、バッテリーの持続時間は公称で標準的な使用で最大21日間、ハードな使用で最大10日間と前モデルから大幅に伸びている。


 実際、常時表示無効/睡眠計測/24時間の心拍計測/70分のウォーキング(GPS使用)/スマートフォンからの各種通知という使い方で1日あたり約10%のバッテリー消費だった。このままでも10日程度は十分に使えそうだが、GPSを使わなければ、さらに伸ばすことができるだろう。


 充電は専用の充電台を使用する。USB Type-Cケーブルを挿して利用する仕様だが、USBケーブルは付属していないため、別途用意が必要だ。


●ゴルフモードを初搭載


 Amazfit Balance 2は、Amazfitブランドとして初めてゴルフモードを搭載した。国内でどの程度のコースをカバーしているのは不明だが、世界の4万コース以上に対応しているとのことだ。


 筆者はゴルフをしないため、どの程度便利な機能なのかは把握できないが、コースの表示やハザードまでの距離表示、任意の場所までの距離確認、グリーン上のカップ位置の手動変更、スコア入力などに対応している。


 なお、ゴルフ機能を利用するには、あらかじめコースマップのダウンロードが必要だ。


●オフラインマップに対応


 Amazfit Balance 2は、測位システムとして米国のGPS、ロシアのGLONASS、EUのGalileo、中国のBeiDou(北斗)、日本のQZSS(みちびき)、インドのNavICの6衛星測位に対応している。デュアルバンドGPSアンテナを採用しており、遮蔽(しゃへい)物が多い森林や都市部などでも安定して測位が可能になっている。


 また、最近のAmazfitスマートウォッチで標準機能となってきたオフラインマップにも対応しており、ウォーキングやラニングなどの運動中に地図を確認できる。あまり頻繁に利用する機能ではないと思うが、登山やトレイルラン、あるいは旅行や出張などの宿泊先の周辺を軽くウォーキングする、ランニングする場合などには便利かもしれない。


 なお、別のアプリで作成したルートファイル(GPX/TCX/KML形式に対応)をインポートし、ナビゲーションを行うことも可能だ。ターンバイターン方式のナビゲーション対応しており、見知らぬ場所で足を延ばしてみたものの、ホテルまでの帰り道が分からないということにはならずに済みそうだ。


●音声メモに対応


 Amazfit Balance 2はマイクとスピーカーを内蔵しており、スマートフォンの着信に応答して、そのままスマートウォッチで通話を行える。このマイクを利用して、音声メモを録音することもできる。アプリの一覧から「音声メモ」を起動すれば、すぐに録音可能で、録音した音声はスマートウォッチ上で再生することも可能だ。


 ただ、文字起こしなどを行うために録音データをスマートフォン側に移す必要がある。この移動は自動では行われず、スマートフォン側で移動したいデータを選ばなければならない。転送はBluetoothではなく、Wi-Fiのダイレクト接続で行われるので時間はかからないが、少々手間だと感じた。Bluetoothでも構わないので、録音後、自動で転送される仕組みが欲しいところだ。


 なお、転送した録音データは、NotebookLMやChatGPTなどに取り込んで活用できる。


●音声アシスタント「Zepp Flow」に対応


 Amazfit Balance 2は、OpenAIのGPT-4oを統合した独自の音声AIアシスタント「Zepp Flow」に対応している。スマートウォッチの各種設定や操作を音声で指示できるのに加え、ChatGPTやGeminiなどの音声AIと同様、一般的な内容に関しても質問可能だ。


 あまり複雑なタスクには向かないと思うが、アラームの設定や天気の確認などのちょっとした内容であれば、十分に実用的な機能と言えるだろう。


●スマホ連携はコンパニオンアプリ「Zepp」を利用


 計測データは、スマホアプリ「Zepp」(Android 7.0以上/iOS 14以上)で管理する。Zeppに限らず、最近のヘルスケア関連は細かい数値を見るというより、計測したデータを基に算出されるスコアを確認するというものが主流になっている。


 Zeppでは「レディネス」スコアがそれにあたる。もちろん、必要に応じて細かいデータも確認できる。


 なお、Amazfit Balance 2はレディネススコアとは別に、体調の変化を数値化して表示する「Bio Charge」機能を新たに搭載する予定となっている。今後のアップデートで追加されるとのことだ。


●タフで操作性良好な高い完成度のスマートウォッチ


 Amazfit Balance 2は、普段使いからアウトドアユースまで幅広く対応できる、高い完成度を誇るスマートウォッチだ。タフなボディーや10気圧防水、フリーダイビング対応といったスペックはT-REXシリーズにも迫りつつ、日常利用での快適性や軽快な操作性も両立している。


 さらに、Zepp Flowや音声メモ、ゴルフモード、オフラインマップなど、実用的かつユニークな機能が多数搭載されているのもポイントだ。


 価格は4万3890円と手ごろとは言えないが、機能の充実ぶりを考えると十分納得できる。Amazfitのフラッグシップとして、しばらくは「バランスの取れた1本」として活躍してくれそうだ。



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