「共感しかないわ」加藤ローサの“離婚後の選択”が圧倒的に支持される理由。“いびつな事実婚”が広まる予感も

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2025年08月21日 16:20  女子SPA!

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画像:加藤ローサInstagramより
 8月17日放送の『おしゃれクリップ』(日本テレビ系)に出演した加藤ローサは、サッカー元日本代表の松井大輔と離婚していたことを発表した。有名人カップルの離婚にSNSでは大きな反響を集めているが、従来のリアクションとは少し様相が異なる。

 寄せられたコメントを見ていると、「加藤ローサちゃん見て私も籍抜きたくなった」「言ってることすごいわかる。共感しかないわ」「素晴らしい決断!」など、とりわけ女性からの加藤を支持する声が少なくない。なぜ加藤に応援や称賛のコメントが相次いでいるのか、その理由を考えたい。

◆離婚届を出す前と後で、気持ちが大きく変わった

 そもそも、加藤の離婚はかなりトリッキーだ。同番組内で加藤は「今は籍を抜いていて。新しい私たちの形で生活は続けつつ、ちょっと夫婦という形を変えて離婚していて」と籍は抜いたものの以前と同様に同居はしているという。

 続けて、「彼は変わらず自分の好きなことだけを追いかけてるタイプで、なので変わらないんですね」と松井の心情に触れつつ、「籍が入っていると入っていないとでは、私の気持ちが結構変わって。良い妻でいなきゃみたいな、すごい思っちゃって」と自身の心境を説明。妻として頑張る必要がなくなり、精神的に楽になったと話す。

 また、「仕事から帰ったらすぐ夜ご飯じゃないですか。『良い妻しなきゃ』と思うと、その前に買い出ししたり、ご飯作ったり準備して温めるだけの状態にして出かけたり」と離婚前の生活を振り返り、「仕事一つするにもめっちゃ大変だった」と当時の心境を吐露した。

◆「税金対策の偽装離婚」というナンセンスな指摘も

 加藤の話を聞く限り、松井が家事育児に非協力的であり、加藤の負担が大きかったことがうかがえる。とはいえ、離婚しても一緒に暮らしているのであれば、実質的な加藤の負担が減ったわけではない。そのため、SNSでは「税金対策の偽装離婚」という声も一部あがった。

 ただ、もし仮に「税金対策の偽装離婚」であれば、わざわざテレビ番組で大々的に言うはずがない。それではなぜ加藤は離婚したのか。それは「状況が変わらなかったとしても、それでも離婚したい」と心底思っていたからではないか。

 松井が家事育児に非協力的だったことが離婚理由なのかはわからない。ただ、加藤の気持ちは確実に冷めている。そのため、一刻も早く距離を取りたい。とはいえ、子どものことを最優先に考え、そして自分自身を守るため、身体的には難しくても精神的には距離をとれる現状考えられる最適解として“同居離婚”を選択したのだろう。

◆「今すぐにでも離婚したいけど」と思う妻たち

 生活状況が変わらずとも、書類上では“他人”になれたことで、心が救われることもある。実際、番組内で加藤は晴れやかな表情を見せていた。すなわち、部外者がぱっと見では理解できない行動をとらなければいけないほど、加藤が追いつめられていたと察することができる。

 愛情はとっくにないから、今すぐにでも「離婚したい」と言いたい。ただ、シングルマザーとしての子育てには不安がある。「それならせめて夫婦として括られることは止めたい」と思っている女性性が多いからこそ、加藤の勇気ある行動に賞賛の声が相次いでいるのだろう。

 言い換えば、この心情はワーキングマザーや専業主婦に関係なく“妻”である女性にしか伝わりにくく、ピンとこない男性も多いのではないか。

◆深刻な養育費未払い問題のリスクも軽減

 また、加藤が示した“新しい家族の形”に憧れを持つ理由は他にもあるかもしれない。というのも日本では、離婚後に養育費を払わない男性が少なくない。厚労省が発表した「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によれば、「養育費の支払いを受けたことがない」と回答した母子世帯(離婚または未婚)の割合は56.9%にものぼった。一方、「現在も受けている」(28.1%)は3割にも満たない。

 養育費を払わない男性は多いが、加藤が選択した離婚形式であれば養育費の未払いリスクは軽減できる。経済的なリスクを回避できる離婚方法を実行した加藤の聡明さに、心を打たれた女性もいるように思う。もちろん、加藤にそのような意図があったかは不明だ。

 とはいえ、養育費の未払い逃げを防ぐ方法が確立されていないことは問題であり、未払い逃げが起きないような制度設計を政府は進めるべきではあると思うが。

◆今後“いびつな事実婚”は広まるか

 一昔前、ネット掲示板では「妻は家政婦や保育士扱い」「夫はATM扱い」と互いに差別的なラベリングをしていた。当時はまだ昔ながらの夫婦間の役割分担が当然のように残っていた。ただ、今は共働き世帯が主流になり、家事や育児を担いながらも経済的に自立した女性は珍しくない。夫に対する愛情が冷め、「いつでも離婚できるからな」と思っている女性もそこそこいるのではないか。

 加藤のこの選択を、十代の息子2人がどのように感じているのかはわからない。また、子どもが大きくなった時、新しい家族の形はまた新しい形に変貌を遂げるのかもわからない。ただ、SNSの反応を見る限り、同居離婚にメリットを感じている女性は一定数おり、今後この“歪(いびつ)な事実婚”は広まっていく可能性は低くない。

<文/浅村サルディ>

【浅村サルディ】
芸能ネタ、炎上ネタが主食。好きなホルモンはマキシマム ザ ホルモン。

このニュースに関するつぶやき

  • この「新しい」って表現って何か本質を誤魔化してる感じがしてならない。 これだって、数年前からある偽装離婚やってるのと変わらんし。
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